越僑青年、ストリートチルドレンの「大家族」作る

2011/03/06 08:38 JST配信

 ジミーは1996年にKOTOを設立、1999年にハノイ駅近くでバインミー(ベトナム式サンドイッチ)の店を出した。営業許可も人脈も資金もないうえ、独身の若い男が子供たちと働くことに良からぬ憶測をされたこともあったという。「子供たちが自分のやる気の元だった。彼らに信頼してもらうことが最も重要だった」。1年後にハノイの有名観光地「文廟(孔子廟)」近くにレストランを開いた。やがてビル・クリントン元米大統領も立ち寄る店になった。

(C) Tien phong, Nadine Albac
(C) Tien phong, Nadine Albac

 ジミーの母親も、かつてストリートチルドレンだったことがあるという。「母はひどい貧困の中を生きてきた。そのことは私が今の仕事を始める動機になっている。人は自分で運命を選ぶことはできず、運命の方が人を選ぶものだ」。彼は、ベトナムでストリートチルドレンを助けることは運命だったと思っている。

 KOTOでは現在16~22歳の50人の生徒が学んでいる。KOTOに入る前には2~3か月かけて家族の状況や適正を調べる。KOTOに入ると2年間かけて36科目を学習する。1年目は主に学科を、2年目は実習を学ぶ。ジミーは「すべてのストリートチルドレンを助けることができないことは承知している。しかし助けることのできる子供たちには最善を尽くしたい」と話す。

 KOTOの女子生徒グエン・ティ・トゥイ(18歳)は、あと4か月で卒業を迎える。卒業後はベトナムのホテルで、将来はオーストラリアのホテルで働きたいと話す。彼女の妹が大学に入学するのを助けるためだという。トゥイは「KOTOでは多くの兄弟たちのいる大家族を持つことができた。でも一番大切なのは、自分の将来に希望が持てたこと」と語った。(敬称略)

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[Tien phong online, 15:58 | 17/02/2011, O]
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