ベトナム女性を美しく飾る「アオザイ」、その歴史と変遷

2016/03/13 05:52 JST配信

15~18世紀:4枚の布を垂らしたアオザイ

 黎(レ)朝(1428~1527年、1532~1789年)時代には服装が大きく変化し、それまでのスタイルとは全く異なるものとなった。

 この時代のアオザイは4枚の布を垂らした「4つ身」のようなデザインだったが、前側の2枚の布を結んで着用することはなかった。このスタイルのアオザイは、女性にとって農作業や日常の活動にも適しており、特に1年中働く田舎の女性が好んで着用した。

18世紀~20世紀前半:現代につながる新たなアオザイ

 広南国(こうなんこく)(1558~1777年)の第8代君主グエン・フック・コアット(Nguyen Phuc Khoat=阮福濶、在位1738~1765年)は、今日のアオザイの原型を整えた人物とされている。

 数万人にも及ぶ中国系民族の移入に直面した彼は、ベトナムの文化的アイデンティティを保持するため、全ての人々に対して服装に関する勅令を発布した。この勅令によって初めて男性と女性の両方のアオザイの基本的な形が決まり、今日のアオザイと似た形となった。そして、阮福濶の統治時代にアオザイが民族衣装として正式に認められることとなった。

 現代的なアオザイの形は、1939年に画家のカット・トゥオン(Cat Tuong)がデザインしたアオザイ「ル・ミュール(Le Mur)」に始まる。「ル・ミュール」は伝統的なアオザイとは異なり、体のラインに沿ってくびれを作り、袖や襟にはヨーロッパ風のディテールを取り入れた。

 しかし、この「ハイブリッド」なアオザイは、下品だとして当時の世論で強く非難され、モダンなスタイルを好むアーティストが着用するだけだった。そして、1943年までにこのスタイルは徐々に忘れ去られていった。

次ページ → 20世紀後半~現在:ファッションとしてのアオザイ

前へ   1   2   3   次へ
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

この記事の関連ニュース

 ベトナム婦人連合会は、3月1日(金)から8日(金)にかけて、「アオザイウィーク2024」を全国的に開催する...
 ホーチミン市アオザイ協会が、同市人民委員会の決定第4764号/QD-UBNDに基づき設立された。同協会は同市...
 ホーチミン市で2日から開催されていた「アオザイフェスティバル2019」が、2週間の会期を終えて17日に閉...
 ホーチミン市1区の歩行者天国グエンフエ(Nguyen Hue)通りで2日、「アオザイフェスティバル2019」が開幕...
 ハノイ市から60kmほど離れた郊外に位置するウンホア郡チャックサー村は、ハノイ市で最も長い歴史を持つ...
 ホーチミン市で3月3日から開催されていた「アオザイフェスティバル2018」が26日に閉幕した。  今年...
 ホーチミン市11区のダムセン文化公園では、3月8日から11日までアオザイを着た来園者の入場券が無料、フ...
 ホーチミン市では、3月3日(土)から25日(日)まで「第5回アオザイフェスティバル」が開催される。これに...

新着ニュース一覧

 ホーチミン市人民委員会は1日、ニャーゾン・カインホイ埠頭で、ホーチミン市改名50周年(1976年7月2日~...
 農業環境省が6月30日に発表したベトナム農産物トレーサビリティシステムの本格運用が、7月1日に始まっ...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 北部地方バクニン省人民評議会は6月30日の会議で、同省が第1級都市の基準を満たしたとする提案に関する...
 南中部地方ダナン市のホイアン旧市街で多くの店が閉まった後も、チャンフー(Tran Phu)通り、ファンチュ...
 全日空(ANA)が出資するベトナムのフラッグキャリアであるベトナム航空[HVN]
 文具メーカーのプラス株式会社(東京都港区)は1日付けで、同社のステーショナリー海外製造販売事業の一...
 石炭や木材、金属などの事業を手掛ける矢橋ホールディングス株式会社(岐阜県大垣市)のグループ会社で、...
 地場空港関連サービス大手タセコエアーズ[AST](Taseco Airs)と、空港店舗
 時計バンドやメガネフレームなどの製造・販売を手掛ける日本精密株式会社(埼玉県川口市)は、新たな中期...
 ホーチミン市警察交通警察部(PC08)は、旧地名「サイゴン・ザーディン」が故ホー・チ・ミン主席の名を冠...
 全国の20以上の空港を管理・運営するベトナム空港社[ACV](Airports Corpo
 ハノイ市農業環境局は6月30日、同市人民評議会で承認された環状1号線内の低排出ゾーン(LEZ)導入案の詳...
 政府は6月30日、ガソリン・石油製品、その生産原料、航空燃料に関する税優遇措置の適用期間を2026年9月...
 ホーチミン市で1日、市内バス134路線の運賃無料化が始まった。この施策は、市民に公共交通機関の利用を...
トップページに戻る