ハノイ市バックマイ病院のとある女性医師は、希少がんを患いながらも病気のことを親戚に隠し、子供を産むため放射線治療を拒否し、同僚や患者の信頼を受けながら日々献身的に診療を行っている。
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彼女は紅河デルタ地方ニンビン省出身のグエン・ティ・ハインさん(33歳)。バックマイ病院の筋肉や骨関節を専門とする診療科に勤めている。ハインさんはハノイ医科大学を優れた成績で卒業し、研修医時代も優秀で、2014年からバックマイ病院で採用されることになった。
2013年に建設エンジニアの夫と結婚し、間もなく1人目の子供が生まれた。幸せに暮らしていた2015年のある日、2人目の赤ちゃんがお腹にいたハインさんだったが、妊娠6か月で流産してしまった。
それからわずか1か月後の2015年12月、今度は自分が希少がんの1つである副腎皮質がんを患っていることに気づいたハインさん。化学療法か子供を産むかの決断を迫られる中、ハインさんはもう1度子供を産むため治療を拒否した。理由はただ1つ。「母親がいなくなっても、きょうだいが2人いれば助け合えるから」だ。
2015年12月、ベトドク病院で約2.5cmの大きさの腫瘍の切除手術を受けた。そして2016年には、待ち望んでいた2人目の子供が生まれた。最初の手術から約3年、現在もハインさんは変わらず医師として患者の診療を続けている。
「仕事中、ハイン医師はいつも積極的で熱心で、疲れも見せず、何に対しても誰に対しても文句も言いません。あらゆる人々を助け、患者さんにも自分の親戚のように献身的です。彼女はたくさんの患者さんやその家族からお褒めの手紙をいただいています」とハインさんの務める診療科の代表は語る。