ハノイ市ソックソン郡にあるハノイ野生動物救助センター(Hanoi Wildlife Rescue Center)では、36頭のトラを飼育している。ほとんどが国内の野生動物違法取引事件で押収され、保護された個体だ。
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野生動物の救助と保護、研究を任務とする同センターは1996年に設立され、2013年に再編された。面積は約1万m2で、このうち50%がトラの飼育エリアとなっている。2006年に最初のトラ2頭を受け入れ、36頭まで増えたが、物理的な都合でこれ以上は増やせないという。
同センターで飼育しているトラは主にインドシナトラの成体で、センターでの飼育下で繁殖した個体もいる。センターではトラのほかに、同じく違法取引で押収されたカメやヘビ、トリ、クマ、サル、希少なニワトリなど数多くの野生動物を飼育している。
飼育エリアの扉は堅固に設計され、一方通行で外部からのみ操作できるようになっている。扉の操作を誤れば危険が生じるため、「シッター」とも呼ばれるトラ飼育チームは経験豊富なベテラン飼育員8人で構成されている。
「トラのシッターになるには、愛情を持ち、忍耐強く耳を傾け、トラたちが安心感を持てるように少しずつ慣れていかなければなりません。よく世話をすれば、トラは親しみと従順さで応えてくれます。でも、きちんと扱わなければ、トラはその人の足音が遠くから聞こえただけでうなり声をあげるんです」と、同センターのルオン・スアン・ホン所長は話す。