ホーチミンの「アオザイ通り」の歴史と現在

2024/12/08 08:16 ICT配信

 半世紀以上にわたってアオザイの仕立てに携わってきたトアンさんによると、1960~1970年代のサイゴンではアオザイが標準服とみなされていた。中でも身体のセクシーな曲線を強調するためにウエストを絞ったアオザイは流行の最先端のファッションとなり、サイゴンの街を席巻していた。

イメージ画像
イメージ画像

 しかし、ベトナム戦争が終結した1975年以降、アオザイは徐々に姿を消し、代わりに人々は洋服を好むようになった。

 トアンさんはいつも客の好みに合わせてアオザイのスタイルを柔軟に変えてきた。21世紀に入る前は、身体にフィットして肩や脇の生地が皺になりにくいラグランスリーブと伝統的な立襟が好まれていた。

 一方、現代では深いカットの襟元、蓮の葉の形の襟、ハートの形の襟などにストーンが散りばめられていたり、手の込んだ刺繍が施されていたりするものなど、新しい見た目でありながらも、アオザイ本来のたおやかさとエレガントさを残した革新的でバラエティ豊かなアオザイが好まれている。

 「私がデザインしたもの以外に、お客様のアイデアに合わせて仕立てることもあります。例えばお客様が、肩の部分がワンピースのようなデザインのアオザイをご希望であれば、要望に沿って仕立てます。常に時代やトレンドに合わせてデザインを変え、適応していかなければなりませんから」とトアンさんは語る。

 トアンさんの店のアオザイの価格は生地とデザインによって異なるが、普通の生地であれば100万VND(約5900円)前後で、シルクやレース、輸入物などの高級生地になると、数千万VND(1000万VND=約5万9000円)になる。

 初心者がアオザイを完璧に仕立てられるようになるにはどのくらいの時間がかかるかトアンさんに尋ねると、少し考えてから「難しいでしょう」と答えた。アオザイを仕立てるには原理を知り、丁寧に技術を学び、そしてこの仕事に情熱を持つ必要があるからだ。誰もが1日や2日で習得できるものではない、と、60年以上この仕事に携わってきたトアンさんは考えている。

前へ   1   2   3   次へ
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

この記事の関連ニュース

 南中部地方ダナン市のホイアン旧市街で多くの店が閉まった後も、チャンフー(Tran Phu)通り、ファンチュ...

新着ニュース一覧

 南中部地方ダナン市人民委員会はこのほど、WHAダナン工業団地のインフラ整備・運営事業について、投資...
 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)管理委員会(MAUR)が推進する同市メトロ2号線(ベンタイン~タムルオン間)...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ベトナムバイクメーカー協会(VAMM)が発表した2026年7~9月の加盟6社の二輪車販売台数は、前年同期比+10...
 南部メコンデルタ地方ドンタップ省タンタイン村(xã Tân Thạnh、旧タインビン郡)のファ...
 地場系コングロマリット(複合企業)T&Tグループ(T&T Group)はこのほど、投資・貿易会社のビナコム(Vinac...
 ハノイ市ホアンキエム街区(phường Hoàn Kiếm、旧ホアンキエム区)でこのほど、グ...
 出版社エルゼビア(Elsevier)が発表した2026年版の「世界で最も影響力のある科学者」上位1万人のランキ...
 内務省傘下の海外労働管理局(DOLAB)の最新統計によると、2026年1~9月期に海外へ派遣されたベトナム人...
 ホーチミン市で10月14日(水)から17日(土)まで、「ベトナム国際繊維産業展示会(VTG 2026)」が開催される...
 求人・求職プラットフォーム大手キャリアベト(CareerViet)は、市場調査会社アムコ・ベトナム(Amco Viet...
 レ・ミン・フン首相は9日、カンボジアを公式訪問し、同国の首都プノンペンでフン・マネット首相と会談...
 世界の観光業界の「オスカー」とも称される「ワールド・トラベル・アワード(World Travel Awards=WTA)...
 米国の大手旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー(Conde Nast Traveler=CN Traveller)」が発表した読者...
 新潟県は、10月11日(日)・12日(月)の両日、「にいがたベトナムフェスティバル2026」を新潟県長岡市のハ...
トップページに戻る