障がいを持った捨て子を育てて25年、宝くじ売りの女性の願い

2025/03/09 10:11 JST配信

 数か月が経ち、リエンさんはフオンさんの行方捜しを諦めた。しかし、痩せこけて熱にうなされ続けているラムさんを見るにつけ、かわいそうでたまらなかった。「頭が混乱して何も考えられませんでしたが、ただ彼を愛しているということだけはわかっていました」とリエンさん。

(C) VnExpress
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 リエンさんの夫であるフウ・トゥーさんも、数か月にわたり世話してきたラムさんに対する気持ちは妻と同じだった。

 ラムさんの実の母親を見つけることができず、夫婦は、地元のニンキエウ区アンホア街区人民委員会でラムさんを養子にする手続きを行った。

 以来、リエンさん一家はラムさんを含めた5人で支え合い、懸命に働いてきた。リエンさんは、ラムさんが日差しや雨に耐えられないのではないかと心配し、いつも朝の4時に起きてお風呂に入れ、おむつを替え、口の中をきれいにしてから、部屋のドアを閉めて宝くじを売りに出かけた。その間、夫婦の子供2人にラムさんを預け、時には近所の人たちにも頼った。

 こうしてラムさんは、ニンキエウ区アンホア街区グエンバンクー通り156番地の路地裏に住んでいる人たちからもらったおむつや牛乳、お菓子で育った。

 ラムさんが3歳のとき、夫婦の長男が突然行方不明になった。夫婦は宝くじを売って稼いだ全財産を費やして息子を捜したが、見つからなかった。

 夫婦は息子を捜す時間を確保するため、ラムさんを孤児院に預けることにした。リエンさんは孤児院に預ける準備をしながら一晩中泣いた。しかし、いざ預けるときになって「子供への訪問禁止」という規則を読んで思い直し、ラムさんを連れて帰った。

 ラムさんを施設に預けようとした2回目は、身を乗り出してリエンさんの手を握り、泣いているラムさんの姿に耐え切れず、やはり連れて帰った。3回目は、バイクのエンジン音が聞こえて目を大きく見開き、うずくまるラムさんを見て、リエンさんは彼を抱きしめた。

 「もう彼とは離れられない、と思いました」とリエンさんは語る。

 2004年末、一家はホーチミン市ビンタン区に引っ越した。宝くじを売りながら行方不明になった息子を捜し続け、ついに2年後に再会を果たした。

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