(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。)
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ロンドン:歌謡曲でムードたっぷり、街角カフェでベトナムコーヒーを1杯
国外に住むベトナム人、いわゆる越僑は、2024年末時点で世界130か国・地域以上に約600万人いるとされる。その歴史は長いが、最近でも労働者派遣や留学などさまざまな形で海外に移住する人は多い。そんな人の流れが、海外でベトナム人街を形成するきっかけとなっている。興味深いのは、国が変わればベトナム人街やそこにいる人の様子も異なる点。世界各地の小さなベトナムを訪ねてみた。
最初に訪ねたのは英国のロンドンだ。街を南北に分かつテムズ川にかかる巨大な橋「タワーブリッジ」の北側に、ベトナム系の店が集まる一角がある。通りの名称はキングスランドロード(Kingsland Road)。鉄道「ロンドン・オーバーグラウンド(London Overground)」のホクストン(Hoxton)駅からは徒歩約3分、バスはフォルカーク・ストリート(Falkirk Street)停留所から降りてすぐとなる。
英国名物の2階建てバスとキングスロード・ストリート
ベトナム人街といっても、横浜市にある中華街のようにいかにも現地と異なる建物が立っていたり装飾がなされているわけではなく、ベトナム系の店が現地の通りや建物に溶け込みながら並んでいる。伝統的なベトナム料理店からフュージョン料理の高級店、小さなカフェまで、約200mの範囲に大小20~30軒ほどが軒を連ねる。
ベトナムレストランが並ぶキングスロード・ストリート
メニューは観光客だけでなく在住ベトナム人も喜ぶような品揃えで、ベトナム語と英語が併記されている
特に、気軽に入って楽しめる家庭的な店が多く見えた。メニューはもちろん看板までベトナム語の店もあり、現地の人には興味をそそられ、ベトナム人には懐かしさを感じさせる一角となっている。
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