「ハノイカフェ」で楽しむベトナムコーヒー
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さまざまある店の中で、ピンクの店構えがひときわ目を引く「ハノイカフェ」に入った。
ピンクの外観と立て看板がかわいらしいハノイカフェ
足を踏み入れた瞬間、驚いたのはBGMだ。かわいらしい外見から若手歌手のVポップ(歌謡曲)やジャズなどが流れているのだろうと思いきや、聞こえてきたのはベトナムの古い歌謡曲。壁にはプロパガンダアートのポスターが並び、一瞬にしてベトナムの世界に引き込まれた。
店舗各所からベトナムを感じる
ベトナムコーヒーを打ち出す同店で、カフェタイムと決め込む。バインミーが得意料理のようで、「オリジナル」「バーベキュー」など数種類ある。持ち帰りしようと決め、スタッフを呼び止めた。
ところがそのスタッフは、英語がそれほど得意ではないようで意思疎通がうまくいかない。特に「持ち帰り」を巡り手を変え品を変え伝えてみるが要領を得ない。そこで「マンベー(Mang Ve)」と拙いベトナム語で言ってみたところ、彼の顔がぱっと明るくなり「OK」とのジェスチャーと満面の笑顔をもらえた。スタッフは気分を良くしたのか、おすすめのバインミーまで推薦してくれた。ちょっとしたことで店員とも一気に打ち解ける、ベトナムのローカル店にいるような感覚を、遠く離れたロンドンでも味わうことができた。
ベトナムコーヒーは英国人向けなのか量が多めで、ドリップが終わった頃にはコップの7~8割程度を満たしている。さながら、ラージサイズのベトナムコーヒーといったところだ。現地ではあまり知られていないのだろう。ガラスのコップに載ったアルミのドリッパーは、他の現地来店客から注目を集めた。注ぐ時から楽しいこのイベント性のある独特のコーヒー、ぜひ英国人にも楽しんでいただきたいものだ。
ベトナムコーヒーは4.5ポンド(約860円)
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