タンさんの主な役割は、木に登ってドリアンの果実を叩き、収穫に適した熟度かどうかを見極めることだ。簡単そうに聞こえるが、農園のオーナーに損害が出ないよう、経験と的確な判断力が求められる。
![]() (C) vietnamnet |
![]() (C) vietnamnet |
![]() (C) vietnamnet |
「十分に熟していて、果肉の黒ずみや空洞がないドリアンを選別するのは、誰にでもできることではありません」とタンさん。8年間もドリアンを収穫してきた経験から、タンさんは「叩けばわかる、切れば的中」と自信がある。ほんの数回叩いて音を聞くだけで、収穫の基準を満たしているかどうかを瞬時に判断できるのだ。
「ドリアンは美味しく熟していないと収穫できません。皮が緑色で棘が鋭いものは、果肉が美味しい傾向があります。でも、熟していない果実と熟した果実を見極めるのは難しく、経験がものを言います。時には手と目を使って、感覚を頼りにしないといけないんです」とタンさんは語る。
タンさんたちは毎朝6時から農園で作業を始める。チームには「カッター」が4人おり、残りは「キャッチャー」だ。収穫作業は18時まで続き、収穫のピーク時には22~23時まで及ぶこともある。
以前、タンさんの仕事は少ない時もあれば多い時もあり、季節によっても変動していた。仕事がなく、長いこと休まなければならない時期もあった。しかし、この2~3年はほとんど一年中、ドリアンを収穫している。端境期でも5~10日の休暇を挟んで、再びあちこちを飛び回っている。
南部メコンデルタ地方の収穫シーズンが終わると、タンさんのチームは場所を変え、今度は東南部地方ドンナイ省(旧ドンナイ省と旧ビンフオック省)の農園でドリアンを収穫する。