「親孝行できなかったことで苦しみました」とフオンさんは胸の内を明かす。母親を亡くしたフオンさんは、やる気すら失って大学を退学しようとしていた。しかし、近所の人が「両親ともいなくなった今、お母さんを安心させるためにも、ちゃんと勉強して自立しなさい」と励ましてくれた。その言葉にフオンさんは目を覚ました。
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大学に戻ると、フオンさんは勉強方法をひたむきに探した。難しい課題はオンラインで資料を探したり、友人に頼んで解説してもらったり、オンラインの勉強会に参加したりした。空き時間にはクラブの小さなウェブ案件を引き受け、スキルを磨いた。こうして夜中まで勉強することがフオンさんの習慣になった。
努力が実り、フオンさんは2年連続で毎月150万VND(約8700円)の奨学金を獲得した。そして2025年8月、情報技術学部を優秀な成績で卒業した。
卒業式で、友人たちのそばには両親がいたが、フオンさんは1人きりだった。それでもフオンさんは孤独ではなかった。政治・学生管理部長のダン・フオン・ザン先生がフオンさんのために特注のアカデミックガウンを仕立て、自らの手でフオンさんに着せ、フオンさんを壇上に導いた。
「フオンさんには、自分は人と違うのだと思わないでほしい、そしていつもそばにはお母さんがいると感じてほしいんです」とザン先生は語る。
壇上では、水利大学の学長と共産党委員会書記がフオンさんに花束と卒業証書を手渡し、同時に大学職員として特別に採用することを知らせた。さらにフオンさんは、2年間の大学院の奨学金も受け取った。約100の個人・団体が、フオンさんの学費を援助するために寄付したのだ。
フオンさんは、ハノイ市で期待通りの結果を残せて幸運だったと感じているが、その姿を母親に見せられなかったことだけが心残りだ。「皆さんからの愛に応えられるよう、もっと努力します。きっと母は遠くから見守り、微笑んでくれていると信じています」と、フオンさんは白い雲が浮かぶ空を見上げながら語った。




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