- ハノイ市人民裁判所が破産を承認
- 2014年8月に破産手続きを開始
- 国営企業のリスク管理の重要性浮き彫りに
ハノイ市人民裁判所は、5月5日付でビナシン遠洋海運(ビナシンラインズ=Vinashinlines)の法律上の破産を承認した。同社は赤字経営が20年にわたり続いた。
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ビナシンラインズは、2006年にベトナム造船工業総公社(ビナシン=Vinashin)によって設立された。遠洋輸送の発展を担うことが期待されていたが、早い段階で経営難に陥り、2014年8月に破産手続きを開始し、2024年11月に行われた債権者集会の投票で破産が承認された。
裁判所の決定により、担保資産は一時的にビナラインズ[MVN](VIMC)に引き渡され、債権回収のために処理される。担保権者には、ベトナム投資開発銀行[BID](BIDV)、ベトナム開発銀行(VDB)、ベトナム造船産業金融会社(Vietnam Shipbuilding Finance=VSFC)、造船工業総公社(Shipbuilding Industries=SBIC、旧ビナシン)が含まれる。担保資産の価値が債務額に満たない場合、不足分は清算手続きの中で処理される。
また裁判所は、修理中のタンカー「New Energy号」および原油タンカー(10万DWT)建造プロジェクトとコンテナ船建造プロジェクト(1730TEU)に関連する未解決の財務問題についても整理を求めた。
今回のビナシンラインズの破産は、国営企業にとって、リスク管理や財務の透明性、法令遵守の重要性を改めて浮き彫りにする出来事となった。