- チン首相立ち会いのもと協力覚書6件締結
- ベトナム航空とサフランがリース契約
- FPTとエアバスがデジタル変革で覚書
フランスの首都パリで開催されたベトナム・フランス経済フォーラムで11日、同国を公式訪問していたファム・ミン・チン首相の立ち会いのもと、航空、テクノロジー、医薬品、海運、エネルギーの分野に関する6件の協力覚書(MOU)が締結された。
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航空分野では、ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)が仏サフラングループ(Safran Group)傘下のサフラン・エレクトロニクス・ディフェンス(Safran Electronics & Defense)との間で、2026~2030年のフライトデータ分析システムのリース契約を締結した。また、オランダのINGグループ(ING Group)傘下のING銀行(ING Bank)とも、総額15億USD(約2160億円)の融資に関する覚書を交わし、機材導入や国際線ネットワークの拡充に活用する見通しだ。
テクノロジー分野では、ベトナムを代表するIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)が仏エアバス(Airbus)とデジタル変革に関する覚書を締結した。これにより、FPTはエアバスの戦略的グローバルテクノロジーパートナーに認定され、カスタマーサービス、ビッグデータ、クラウドソフト開発などの国際ITプロジェクトに参画する機会を得ることになる。
医薬品分野では、ベトナム製薬総公社(VINAPHARM=ビナファーム)とフランスの製薬大手サノフィ(Sanofi)子会社のオペラ(Opella)が、サノフィ・ベトナム(Sanofi Vietnam)におけるビナファームの出資比率を30%に引き上げることで合意した。
海運・エネルギー分野では、ビナラインズ[MVN](Vinalines=VIMC)と仏HDFエナジー(HDF Energy)が、水素燃料と燃料電池の共同開発に向けた協力を確認した。また、地場のウェルスパワーグループ(Wealth Power Group)もHDFエナジーと、水素製造プラントの研究開発で提携する。
これらの覚書は、ベトナムとフランスの経済・投資関係の深化に加え、ベトナム・欧州連合(EU)自由貿易協定(EVFTA)やベトナムEU投資保護協定(EVIPA)の具体的活用を促進する上で重要な一歩とされている。