- ショッピーフードとグラブフードの2強
- ハノイではショッピーフードがトップ
- ホーチミンではグラブフードがトップ
ベトナムのフードデリバリー市場では、フーディ(Foody)の「ショッピーフード(ShopeeFood)」とグラブ(Grab)の「グラブフード(GrabFood)」の外資系2社が市場シェア90%を占め、引き続き圧倒的なシェアを維持している。
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これは、米国の市場調査会社ニールセンIQ(NielsenIQ)および地場市場コンサルタント会社デシジョンラボ(Decision Lab)による最新の調査で明らかになったもの。
ニールセンIQによると、ショッピーフードは7日間の注文数で56%のシェアを占め、グラブフードの36%を大きく上回った。3位には地場ビーグループ(Be Group)の「ビーフード(beFood)」がつけたが、上位2社との差は依然大きかった。
3大都市における市場シェアを見てみると、ハノイ市ではショッピーフードが56%でトップ。一方、ホーチミン市ではグラブフードが50%で首位となった。ダナン市でもショッピーフードとグラブフードがシェアの大半を占めた。
また、プラットフォームごとのユーザー層にも明確な違いが見られた。ショッピーフードは16〜24歳の若年層に支持されており、ファストフードやスナック、タピオカなど軽食の注文が多い。一方、グラブフードは35歳以上の利用者が中心で、米料理、シーフード、健康志向の食事や飲料が主に選ばれている。
デシジョンラボは、フードデリバリーがベトナムの主要都市において、日常生活の一部として定着しつつあると分析。スマートフォンの普及に加え、手軽さを重視するライフスタイルの浸透が市場成長を支えている。
一方で、業界再編の動きも進んでおり、ベトナムのフードデリバリー市場の競争環境が変化する可能性もある。地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)製電気自動車(EV)・電動バイクのレンタカー・タクシー会社グリーン・スマート・モビリティ(GSM)は、ハノイ市でデリバリーサービス「Xanh SM Ngon」を開始。2000店舗超の飲食店と提携し、全国展開を目指している。GSMは、急成長中の二輪配車ネットワークを活用しつつ、食品の安全性や品質管理の徹底で差別化を図っている。
既存大手であるショッピーフードとグラブフードも、AI技術の導入を強化しており、パートナー店舗の売上向上支援、マーケティング最適化、ユーザー体験の改善といった取り組みを進め、競争力の強化を目指している。