- 1~7月期のココナッツ輸入額は約46億円
- 米国や中国、中東向け輸出が急拡大
- 国内産ココナッツが供給不足で価格高騰
ベトナムでは2025年に入って以降、ココナッツ輸出の急拡大を受けて、国内産ココナッツが供給不足となっており、輸入が急増している。
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ベトナム青果協会(ビナフルーツ=Vinafruit)によると、2025年1~7月期のココナッツ輸入額は3120万USD(約46億円)で、前年同期の約20倍へと急増した。
米国や中国、中東向けのココナッツ輸出が急拡大し、輸出加工向けの国内原料供給が追いつかない状況だ。この背景には、米国が2023年に、中国が2024年8月にベトナムからのココナッツ輸入を許可したことがある。
今年1~7月期におけるベトナムのココナッツ輸出額は3億0620万USD(約450億円)で、生ココナッツが1億0280万USD(約151億円、前年同期比+14.9%増)、加工品が2億0340万USD(約299億円、同+56.8%増)となった。
国内では現在、ココナッツ果樹園での買い取り価格が1ダース(12個)あたり18万〜19万VND(約1000~1060円)に達し、過去最高水準となっている。ココナッツ産地である南部メコンデルタ地方での気候変動と中部地域での病害という二重の影響が主因であり、4年前と比べて現在のココナッツ価格は6倍に高騰している。
多くの企業は、インドネシアやパプアニューギニアから輸入する形で対応しているが、持続可能な生産体制の構築が急務とされている。なお、ベトナムのココナッツ栽培面積は20万haで、年間収穫量は200万tとなっている。加工工場は2015年の8か所から2024年には45か所に増加した。