朝日生命保険相互会社(東京都新宿区)は、地場生命保険会社であるMVI生命(MVI Life、ハノイ市)を買収する手続きを開始することについて、MVI生命の親会社であるザ・マニュファクチャラーズ・ライフ・インシュアランス・カンパニー(The Manufacturers Life Insurance Company)と合意した。朝日生命にとって初の海外保険会社の合併・買収(M&A)案件となる。

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　朝日生命は、ザ・マニュファクチャラーズ・ライフ・インシュアランス・カンパニーから約1億7000万USD(約264億円)で全発行株式を取得し、MVI生命を完全子会社化する。日本とベトナムの監督当局からの認可取得などの手続きを経て、買収を完了する予定だ。

　朝日生命は、2017年にベトナムの大手保険会社と提携し、テレマーケティングとウェブセールスのノウハウを提供するコンサルティング事業を開始した。

　その後、提携先保険会社の増加とともに事業も順調に拡大し、2023年にはホーチミン市に現地法人「朝日ライフコンサルティング・ベトナム(Asahi Life Consulting Vietnam)」を設立し、対面販売による保険代理店事業を開始した。

　今回のMVI生命の買収は、この8年間で積み上げてきた知見・経験を活かし、事業基盤をさらに発展させ、海外における生命保険引受事業を開始するための重要な一歩と位置づけられている。

　今回の案件を皮切りに、「営業職員チャネル」と「なないろ生命(代理店チャネル)」に続く朝日生命グループの将来の収益の柱として、「海外事業」を育成していく。アジア市場で同社のノウハウを活かした商品・サービスを提供することで、朝日生命グループとしての持続的な成長に向けて安定的な収益基盤の構築を目指す。

　MVI生命の買収にあたっては、アジアで数多くの生命保険会社の経営経験を有するメンバーが設立し、ベトナムでヘルスケア事業や保険販売事業を営むITテクノロジー会社のリブウェル(LivWell、シンガポール)と業務提携した。

　新会社では、朝日生命が日本で長年培ってきた第三分野商品開発ノウハウと、リブウェルが提供するテクノロジーを融合させ、革新的な商品・サービスを提供していく計画だ。