- ベトナム外務省が主権侵害で抗議
- 漁獲禁止はUNCLOSにも違反
- 漁業協会も一方的な漁獲禁止に抗議
中国は、5月1日から約3か月間にわたり南シナ海での漁獲を禁止すると発表した。漁獲禁止が適用される範囲には、ベトナムが領有権を主張する南シナ海のホアンサ諸島(英名:パラセル諸島、中国名:西沙諸島)周辺海域も含まれている。
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発表を受けてベトナム外務省のファム・トゥー・ハン報道官は25日に開かれた定例記者会見で、この漁獲禁止の発表は、ホアンサ諸島に対するベトナムの主権を侵害するだけでなく、1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)で定められた排他的経済水域に対するベトナムの主権をも侵害するものだとして抗議し、ベトナムの一貫した姿勢を改めて強調した。
ハン報道官は中国に対し、ベトナムによるホアンサ諸島の主権、またベトナム海域における主権を尊重し、状況を複雑化させることなく南シナ海の平和と安定、秩序の維持に貢献するよう要求した。
さらにベトナム漁業協会も、この漁獲禁止は一方的かつ不合理なものであるとして抗議する公文書を発表した。
中国は1999年から毎年同時期に、南シナ海の領有権を主張する動きとして、ベトナムを含む周辺諸国の反対を無視して南シナ海のほぼ全域での漁獲禁止を一方的に発表している。