ベトナム北部で唯一外国人受刑者の収容も行うタインスアン刑務所には中国、ラオス、韓国、カンボジア、フィリピンなど様々な国籍の受刑者約200人がいる。このうち26人が無期懲役で、20人が20年から30年の長期の懲役となっており、中でも麻薬犯罪に関わったラオス人と偽札犯罪に関わった中国人の数が多い。
外国人受刑者にとって最大の問題は言葉の問題だ。同刑務所ではベトナム語が分からない受刑者のために英語、中国語、ラオス語、クメール(カンボジア)語で書かれた規則を配布すると共に、週3回・4ヶ月間のベトナム語クラスを開いている。また、外国人受刑者にはベトナム人受刑者と違って面会に訪れて差し入れをしてくれるような親族や友人がいない場合が多いので、タインスアン刑務所では独自の積み立てを行い、彼らの出費をまかなっている。犯罪者が異国の地で刑に服するということは、本人ばかりではなく刑務所にとっても負担を強いるものだと言える。