ベトナム政府による食品の衛生と安全に関する報告によると、野菜や果物の多くに殺虫剤や化学物質が、肉や肉製品には細菌が混入しており、6000万人を超えるベトナム人の体内に寄生虫がひそんでいるという。
昨年4月、ハノイ市、北部ビンフック省、ホーチミン市、メコンデルタ地方ティエンザン省の4省市で、野菜と果物の無作為検査が実施された。その結果、154の野菜サンプルのうち20種に、60の果物サンプルのうち3種に許容レベルを大幅に超える量の殺虫剤が混入していることが明らかになった。また76の野菜サンプルのうち72種で、病原性大腸菌やサルモネラ菌が検出され、すべて許容値を超えていた。
肉や肉製品については、ハノイ市で実施された検査で、72の豚肉のサンプルのうち3つでサルモネラ菌、4つで黄色ブドウ球菌を検出。さらに69の鶏肉のサンプルのうち6つでサルモネラ菌、41で黄色ブドウ球菌を検出した。専門家によると、肉に細菌が感染する原因は、食肉処理・輸送・販売の劣悪な環境にあるという。
肉や魚介類も含む生鮮食品に微量化学物質が発見される頻度はますます増えており、2007~2008年に実施された検査で、検査サンプルのうち6.39%に化学物質の残留物が含まれていた。
また保健省の報告で、2007~2008年に食中毒で死に至ったケース116件のうち、87.1%が家での食事、5.1%が共同台所・結婚式・葬式・屋台での食事だったことが明らかになっている。