日本人男性と結婚し、仙台空港近くに住んでいるベトナム人女性レ・バン・アインさんが東北関東太平洋沖地震の被災体験と心境を語った。彼女は現在妊娠4か月、夫は電力会社に勤め、復旧作業に尽力している。21日付ダットベト紙電子版が報じた。
「あの日は仕事に行っていました。夫も義母も仕事でした。地震が起きた時、どこに行けばいいかも分からず、皆の後について逃げました。避難した区役所で夫が私を見つけてくれたのは翌日の午前3時、、義母に再会できたのは2日後でした。避難所では80歳過ぎのおばあさんが私におにぎりをくれました。私が遠慮すると、妊娠しているんだから赤ちゃんのために食べなさいと言ってくれました」
「私のいる仙台空港近くにはベトナム人は住んでいません。家から車で5分の所まで津波が襲っていました。あたり一面泥で覆われて、信じられない光景でした。家には電気も水も食べ物もありません。屋根が崩れて家の中から空が見えますが、生き残れただけでも幸運です」
「私は孤独ではありません。夫の家族がいてくれます。ここは私の第2の故郷です。みんな一生で最も大変な目に遭っても不平も言わずがんばっているのに、私だけベトナムに帰ることはできません。日本人男性と結婚したベトナム人女性を何人か知っていますが、両親から帰国を勧められてもやはり日本に残る決意のようです。同じ境遇でなければこの気持ちは分かってもらえないかもしれません」