ベトナムではインフレの進行を反映して、元々高額な料金を取る高級バー、エステサロンやスパなどの店が一斉に価格を20~30%も引き上げている。しかし大金持ちたちにとって、この値上げは痛くもかゆくもないようで、高級店は相変わらず繁盛を続けている。10日付ティエンフォン紙電子版が報じた。
ハノイ市のホアンミンザム通りに最近開店した高級バーは、新し物好きの金持ちたちで賑わっている。もしこのバーでビールを注文したら、劣等感を味わうことになるだろう。少し周囲を見てみれば、1本数百万ドン(数万円)の洋酒をがぶ飲みする客たちばかりだからだ。1週間に2~3回バーに立ち寄り、1回当たり400万~500万ドン(約1万6000~2万円)を支払う客がざらにいる。ベトナムの洋酒輸入額が、年初3か月で1650万ドル(約13億2000万円)に上っているのもうなずける。
一方お金のあり余っている女性たちは「美」の追及に走る。ハノイのカオバークアット通りにあるエステサロンでは、1か月当たり2000万ドン(約8万円)をエステに注ぎ込む客が少なくない。彼女たちにとってはお金がいくらかかろうが問題ではない。老化を防げるとあらば1回のミルクバスに1100万ドン(約4万4000円)をポンと支払うという。
商工省によると、輸入超過を抑制するため特別管理品目リストに搭載されている香水や化粧品の年初3か月の輸入額は3640万ドル(約29億2000万円)に上る。お金持ち女性の「美」の追求は政府にも止められないようだ。