一部の企業が社会保険料を納付しておらず、労働者の権利に対する侵害が深刻化している中、労働傷病兵社会省は、違反企業を刑事訴追することが可能となる法律を整備するよう司法省に要請した。9日付ティエンフォン紙(電子版)が報じた。
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ベトナム社会保険庁によると、企業が滞納している社会保険料は2012年末時点で6兆ドン(約287億円)だったが、2013年第1四半期末時点では一気に9兆2000億ドン(約440億円)に増加したという。地方の社会保険当局の多くは裁判所に違反企業を提訴しているが、違反件数は増加する一方だ。
不況により厳しい経営状態が続き、保険料を納付するどころではない企業は確かに存在する。だが、保険料滞納に対する罰金は最大で3000万ドン(約14万3500円)と低く、抑止力になっていないことも一因だろう。また、滞納した保険料に科せられる金利は年11.0%で、商業銀行の貸付金利を大きく下回っているため、保険料支払い用の資金を意図的に占有し、自社の経営活動に使用している企業も多い。
現在、保険料の滞納が増加していることで、社会保険基金は収支のバランスが取れていない状態に陥っている。2013年年初2か月における保険料収入は15兆9880億ドン(約760億円)程度だったのに対し、支払い保険金はそれを大きく上回る23兆8660億ドン(約1140億円)に上った。