最低賃金は労働者の最低の生活費を賄うにはほど遠い。最低賃金制度は1993年から導入されているが、当初から最低賃金は最低生活費を下回っていた。2013年1月から適用された最低賃金も、最低生活費の62~69%を賄うに過ぎない。13日付トゥオイチェー紙(電子版)が報じた。
労働傷病兵社会省賃金部のレ・スアン・タイン副部長によると、最低賃金を決める基準は定まっておらず、政府機関は予算次第、民間企業はインフレの状況に合わせているという。2012年に策定された最低賃金改定スケジュールによれば、2013年に35~37%、2014年に25~27%、2015年に20~25%の引き上げを行うことになっている。しかし景気低迷の影響で今年の引き上げ幅は、民間企業が16~18%、政府機関が9.5%に留まる。
最低賃金はなぜ最低生活費を超えられないのか。タイン副部長は「政府機関の最低賃金を引き上げれば、予算が人件費だけで消えてしまう。この数年の労働生産性は平均5%しか向上していないのに対し、最低賃金は15%上昇している。最低賃金は最低生活費ではなく、労働生産性と支払能力に基づくべき」との考えを示した。
ベトナム労働総連盟傘下の労働組合研究所ダン・クアン・ディエウ所長は、2015年に最低賃金を最低生活費に追いつかせる目標は非現実的であることを認めながらも、労働組合も政府もそれに近付ける努力をすべきだと述べた。