米医療機器メーカーのバイオ・ラッド・ラボラトリーズ社(Bio Rad Laboratories)が、ベトナムでの事業展開にあたり国内の公的病院や研究所の幹部に賄賂を贈っていたことが米司法省と米証券取引委員会(SEC)の発表により明らかになった。
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米当局によると、バイオ・ラッド社はベトナムに駐在員事務所を置いており、事業を有利に進めるため、2005年から2009年にかけてベトナムの公的病院や研究所で購買調達を担当する幹部らに総額220万USD(約2億5300万円)もの賄賂を贈ったという。同社はベトナムのほかにも、ロシアで460万USD(約5億2900万円)、タイで70万USD(約8050万円)の賄賂を支払っていたとされている。
更に、同社ベトナム事務所の代表者がシンガポールの経理担当者宛に送ったeメールでは、「贈賄が経営倫理に反することは分かっているが、そうしなければベトナム市場での売上高の80%を失ってしまう」、「賄賂を贈るのはごく普通のこと」などといった内容が伝えられていたことが確認された。
バイオ・ラッド社は、まず第三者の流通業者に対して割引価格で製品を販売し、この業者が標準価格で病院・研究所に製品を転売、その差額の利益を賄賂に充てるという手口だったとされる。
この報道を受け、グエン・ティ・キム・ティエン保健相は5日、2005年以降にバイオ・ラッド社から商品を購入したことのある全ての公的病院・研究所に対して、購買調達の経緯を報告するよう指示すると共に、公安省に事実確認を急ぐよう要請した。
なお、バイオ・ラッド社は1952年に設立され、カリフォルニア州に本社を構えている。従業員7800 人余りを抱え、2013年の売上高は21億USD(約2420億円)だった。