交通運輸省は15日、中国広西チワン族自治区崇左市の憑祥市政府が要請していた観光用キャラバンカー1000台のベトナム入国を認めないことを明らかにした。入国拒否の理由は、キャラバン隊の安全確保の条件が整わないためだという。
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これに先立ち、憑祥市当局は1日、同市と東北部ランソン省(同市と国境を接するベトナム側の省)が共催する越中国際見本市を機に、同市からベトナムに計1500人が乗るキャラバンカー1000台を入国させる計画を交通運輸省へ提出していた。
国防省、公安省、外務相、財政省、文化スポーツ観光省、並びにランソン省人民委員会など関連機関の意見を聴取した結果、今回のキャラバン隊は規模が大きく前例もないため、対応し切れないと判断し、入国を認めないこととした。
憑祥市当局が提出した計画によると、乗用車1000台のキャラバン隊は12月11日から2015年3月にかけて、ベトナム国内を7つのルートに分かれて周遊し、このうち2つのルートではベトナムを経由してラオスとカンボジアへ抜ける予定だったという。
観光促進や広報などの目的でキャラバン隊がベトナムへ入国することは珍しいことではないが、南シナ海の領有権をめぐって越中関係が緊迫している中で、当局に限らず一般国民も中国の動きに警戒心を持っており、インターネット上では「キャラバンカーを装ってスパイ活動を行うつもりなのでは」という意見まで挙がっている。