ハノイ:警察官らの拘束事件、38人全員解放―人民委主席と住民が対話

2017/04/24 12:30 ICT配信

 ハノイ市ミードゥック郡ドンタム村で15日に土地の強制収用に反対する村民らが公務執行中の警察官ら38人の身柄を拘束した事件で、ハノイ市人民委員会のグエン・ドゥック・チュン主席が率いる特捜部は22日、村民らと対話すべく同村に足を運び、同村人民委員会庁舎で会合を開いた。会合には政府関係者や同村の幹部、村民50人が出席し、対話に臨んだ。

 同事件では、身柄を拘束されていた38人のうち、17日夜に特殊警察官15人が解放されたほか、別の3人が自力で逃げ出し無事が確認された。続いて21日午前には、同郡党委宣伝教育部長が解放された。今回の対話の末、22日14時30分頃に残る19人が解放され、拘束されていた全員が解放された。

 同事件が発生した背景には、土地収用をめぐり当局と村民との間で対立が続く中、同市警察が15日に土地収用に反対した村民4人を治安びん乱容疑で逮捕したことがある。逮捕された村民の1人は骨折し、病院で手術を受けたが命に別状はないことが確認された。当局は既に逮捕した村民4人を釈放している。

 国防省は1980年、ミエウモン軍用空港の建設用地としてミードゥック郡ドンタム村とチュオンミー郡ミールオン村、同チャンフー村、同ドンラック村の用地を割り当てられた。同空港の建設は見送られたが、国防省は2014年10月、同用地を防空空軍部隊第28旅団の駐屯地として使用することを決定。更に同省は2015年3月、「国防工事」の目的で、同用地のうち59haを同省傘下の携帯通信大手ベトナム軍隊通信グループ(ベトテル=Viettel)に割り当てた。

 今回の対話で村民は、「空港建設用地に当たる土地47haは既に同省に引き渡した。しかし、ベトテルに割り当てられた土地59haについて、当局は国防用地に指定するとの首相の決定書を提示しておらず、村民は農地としてこれまで継続的にここで耕作を行ってきた」と主張し、同用地の使用目的を調査すると共に、国防用地に指定されているとすれば関連書類を公開し、法律に従って立ち退き補償を行った上で土地収用を行うよう求めた。

 チュン主席は問題の用地の使用目的の調査を直接監視し、村民4人の逮捕の調査を指導するほか、同事件を刑事事件として立件せず、関わった村民の捜査を行わないことを約束する内容の誓約書に署名した。チュン主席はこれに先立ち、問題となっている用地での全ての工事を停止させると共に、同用地の使用状況を45日間にわたり全面的に調査することを明らかにしている。

 対話を監視したズオン・チュン・クオック国会議員は、「当局は今回の事件を教訓として受け止め、対立の解決にあたり国民との対話をきちんと行う必要がある」とコメントした。

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