35歳の男性、戸籍の性別ミスで婚姻届が受理されず

2018/03/21 06:11 JST配信

 メコンデルタ地方カマウ省カイヌオック郡に住む男性、ラム・ティ・ミー・チャウ(Lam Thi My Chau)さんは、ミドルネームが一般的に女性に使われる「ティ・ミー」であるが故に、生まれてから35年間にわたり戸籍をはじめとする身分証明書の性別が全て女性と誤植され、訂正することができず困難に直面している。

(C) Hai Hai
(C) Hai Hai

 チャウさんの家族は子沢山なうえ、その日の食事を心配しなければならない困窮した暮らしで両親は働きづめだった。父親がチャウさんの出生届を提出したが、慌ただしさから書類上の性別まで気が回らなかったのか、役所の職員とのやりとりで行き違いがあったのか詳細な原因は定かでない。

 2001年にチャウさんが警察へID登録をしに行った時には、チャウさんの容姿が男性であるにもかかわらず書類上の性別が女性となっているために受け付けてもらえなかった。仕方なくチャウさんは地元の役所で特別に証明書を発行してもらい、なんとか書類を受理してもらったが、氏名はそのままとなった。

 その後、進学や就職など身分証明書が必要な場面に合わなかったこともあり、チャウさんは自身の書類上の性別で不便を感じることはなかった。ところが、いざ結婚することになり婚姻届けを出そうとした時に問題が生じた。

 そこで、3月初旬に同郡の書類受付窓口に行き、書類の性別を女性から男性へ、ミドルネームを「ティ・ミー」から一般的に男性に良く使われる「バン(Van)」へ修正してもらうよう要請した。

 すると、ホーチミン市の関連機関へ行って性別を証明する書類を貰ってから出直すよう指示されたが、家計が苦しいチャウさんはホーチミン市へ行くお金を工面することができないでいる。同郡人民委員会によると、人民委員会には性別の訂正手続や戸籍の補足などはできるが、性別の証明はできいないという。

 同省人民委員会は関連当局に対して、実態解明と法規に基づいてチャウさんのケースに適正に対応するよう指導した。

[Phuc Hung, VnExpress, 15/3/2018 00:00 GMT+7, T]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 政府はこのほど、公安省が管轄する国民管理関連の行政手続きの簡素化に関する政府決議第112号/NQ-CPを...
 ラオスに隣接する北中部地方クアンチ省フオンホア郡アーゾイ村には、ベトナム人であるもののベトナム国...
 外国人との結婚登記手続きなどを規定した戸籍法が1日、施行された。結婚登記手続きが簡素化されたこと...

新着ニュース一覧

 地場ドジ・ジュエリー(DOJI Group)は19日、北部紅河デルタ地方ハイフォン市で複合区「ドラゴン75コンプ...
 ホーチミン市内のガソリンスタンドでは、QRコードを使った振込決済が拡大しており、給油時の利便性向上...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 海外市場調査や海外事業伴走支援などを手掛けるシンガポールのグローバルアングル(GLOBAL ANGLE)は、ハ...
 ある日の午後、60代と思われる男性が、壊れたデュポン(Dupont)製のライターを手に、ホーチミン市チョロ...
 商工省によると、2025年におけるベトナムの輸出入総額は推定で約9200億USD(約144兆円)となり、過去最高...
 ベトナム建設省は19日、ラオカイ~ハノイ~ハイフォン間鉄道建設事業の第1サブプロジェクトの着工式を...
 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)を運行する同市メトロ1号線有限会社...
 軍事ウェブサイトのグローバル・ファイアパワー(Global Firepower=GFP)が発表した2025年版の世界軍事...
 ファム・ミン・チン首相は20日、ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)のレ・マイン・フン会長を...
 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、同社が開発を進めている西北...
 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は15日、ベトナムの新たなドローン産業団体であるベトナム低...
 電子機器・電気機械器具の製造・販売を手掛けるコーセル株式会社(富山県富山市)は、海外子会社(非連結...
 ベトナムで初となる軽量軌道交通(LRT)路線が19日、南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック特区(島)...
 米国の調査機関World Population Review(WPR)が先般発表した
トップページに戻る