ベトナムの「#MeToo」運動、単なるブームで終わってしまうのか

2018/05/29 16:36 JST配信

 セクシュアルハラスメントや性的暴行の被害体験を告白、共有、支援する「#MeToo」運動が世界で活発化しているが、その波がベトナムのエンターテインメント業界にも広がってきている。ベトナムではダンサーのファム・リック、レ・ホアン・ガー・ミー、スタイリストのM.Pなどが性行為を強要された経験を告白し注目を集めている。

(C) Nguoi Lao Dong
(C) Nguoi Lao Dong

 この告白が東南部地方バリア・ブンタウ省で児童を強姦したとして起訴されたグエン・カック・トゥイ被告(78歳)の公判とほぼ同時期であったことも、国内での「#MeToo」運動の活発化につながった。しかし、ベトナムではこの「#MeToo」運動に対して賛否両論があがっている。

 ファム・リックが自身の体験を告白すると、エンターテインメント業界や一般人から支援の声が多く寄せられている一方で、「告白してどうなる?」、「売名行為では?」という声も出ているという。

 直近では、ボディペイントを専門とする画家のN.Lがモデルに性行為を強要したとする事件が取り上げられている。しかし、自身のアトリエを持つN.Lがなぜホテルでボディペイントをする必要があったのか、「強要」と告白されている行為は今回が初めてのはずがないなど、この事件はいくつもの矛盾点や疑問が指摘されている。

 こうした疑問から告白が「#MeToo」運動を利用した売名行為と疑われることも理解できる。そして、こうした話題が「#MeToo」運動を利用して大衆の注目を集めようとするマスメディアの恰好のネタともなる。

 実際にセクハラを受け沈黙を保っている人がいる一方で、信憑性のない体験談を語り「#MeToo」を強く支持する人が現れるという不条理な現象も起きている。「#MeToo」は現代社会において深刻な問題であり、声をあげて行動に移すことが必要とされている中、ベトナムでは若者たちの間での単なる娯楽やブームになってしまっているとの見方もある。

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