テト(旧正月)間近となり、ホーチミン市で唯一の「葉っぱ市場」が活況を呈している。ここでは、テトに欠かせない「バインチュン(Banh chung、ちまき)」作りに使うための葉っぱ「ラーゾン(La dong)」を専門に扱っている。
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この時期、同市タンビン区カックマンタンタム通り(Cach Mang Thang Tam)とファムバンハイ通り(Pham Van Hai)の角にあたるオンタ三叉路の路上一帯には、数十年もの歴史を有する「葉っぱ市場」が出現する。正式な「市場」ではないものの、葉っぱを売る人、買う人で朝から晩まで賑わっている。
売られているラーゾンは市外の各省・市から持ち込まれたもので、今年は2018年と比べて値上がりもしていない。価格は葉の大きさや質によって異なるが、1束あたり6万~10万VND(約290~480円)、安いもので1万~2万VND(約48~96円)となっている。
バインチュンを作る際、ラーゾンを多く使うかどうかは各家庭によるが、多く使ったほうがより美味しくなるとされる。また、バインチュンは主にお供え物や贈り物になるため、大きくしっかりした葉が好まれるという。店によっては1日で300kgものラーゾンを売りさばくところもあり、一家総出で店番をしている。
このエリアは北部出身の人々が多く住んでおり、北部の四角いバインチュンに使うラーゾンがよく売れる。一方、ここではラーゾンのほか、バインチュンの四角い型や、南部の円筒状のバインテット(Banh Tet、ちまき)に使うバナナの葉も扱っている。バナナの葉は1kgあたり2万VND(約96円)で、400kgあっても数時間で売り切れてしまうという。