ベトナムのチリソース「CHIN-SU」、大阪の輸入業者に回収命令

2019/04/09 16:25 JST配信

 大阪市は2日にホームページで、マサングループ[MSN](Masan Group)のチリソース「チンスー(CHIN-SU)」に日本でチリソースへの使用が認められていない安息香酸が検出されたとして、食品衛生法第11条第2項違反で、同商品を日本へ輸入・販売しているジェイビス株式会社(大阪市西区)に対して既に販売済みの商品1万8168本の回収命令を発令したことを公表した。

(C) viettimes.vn
(C) viettimes.vn

 回収対象となっているのは2018年10月9日~同年12月7日に輸入された商品で、賞味期限と輸入量は、◇2019年6月10日:8カートン(1872本)、◇2019年6月17日:379カートン(9096本)、◇2019年7月6日:300カートン(7200本)。

 大阪市の報道発表資料によれば、大阪市は3月8日に東京都福祉保健局から東京都新宿区保健所衛生課食品監視第一係が実施した同商品に対する検査で、日本でチリソースへの使用が認められていない安息香酸が検出されたとする報告を受けた。また、表示ラベルに商品から検出された安息香酸およびソルビン酸の記載がなかったことから、食品表示法違反(輸入者表示欠落等)にも該当するとしている。

 健康への影響については、国連の食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)が設けている安全性評価で、安息香酸の許容一日摂取量は0.005g/kg体重/日とされている。当該商品から検出された安息香酸の量は1kgあたりそれぞれ0.41g、0.44g、0.45gで、体重50kgの人が毎日一生涯食べ続けても健康に悪影響を及ぼさない量は、当該商品を0.56kg(約2.2本)食べ続けることに相当する。

 このことから、検出された安息香酸の量は健康被害が発生する量ではないとされている。なお、日本ではキャビアやマーガリン、清涼飲料水、醤油など一部の食品で使用基準が設定されたうえで使用が認められている。

 一方でMSNは、今回の日本における商品回収命令について当該商品は自社の海外輸出向け製品ではないとする声明を出している。それによれば、同社では米国・カナダ・オーストラリア・ロシア・チェコ・中国・台湾へのみ当該商品を正規輸出しており、日本へは輸出していないという。このためMSNは、輸入業者が誤ってMSNがベトナム国内向けに製造販売した商品を日本へ輸入したか、当該商品は製造元不明の偽造商品の可能性があるとしている。

[tuoitre.vn 12:02 06/04/2019 / viettimes.vn 15:26 6/4/2019 / city.osaka.lg.jp 04/02/2019,T]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 大阪府大阪市で3日、駐大阪ベトナム総領事館が主催した「ベトナムフードデー(VIETNAM FOOD DAY)」で、
 マサングループ[MSN](Masan Group)のチリソース「チンスー(CHIN-SU)」から日本でチリ
 保健省は7月28日、コカ・コーラ・ベトナム(Coca-Cola Vietnam)に対し、食品安全の認定を取得せずにホー...
 フィリピン食品大手ユニバーサル・ロビナ(URC)傘下のURCベトナム(URC Vietnam)が製造した茶系飲料「C2...
 保健省は23日、フィリピン食品大手のユニバーサル・ロビナ(URC)傘下のURCベトナム(URC Vietnam)に対し...
 韓国食品医療安全庁(KFDA)はこのほど、韓国の大手食品メーカー「農心」が販売するインスタントラーメン...
 米国消費者製品安全委員会(CPSC)アジア太平洋地域の責任者ジェフリー・ヒルスゲン氏は11日にホーチミン...
 ホーチミン市食品安全衛生支局が市内にある食品生産企業各社を検査した結果、10社の食品から人体に悪影...

新着ニュース一覧

 商工省によると、2025年におけるベトナムの輸出入総額は推定で約9200億USD(約144兆円)となり、過去最高...
 ベトナム建設省は19日、ラオカイ~ハノイ~ハイフォン間鉄道建設事業の第1サブプロジェクトの着工式を...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)を運行する同市メトロ1号線有限会社...
 ある日の午後、60代と思われる男性が、壊れたデュポン(Dupont)製のライターを手に、ホーチミン市チョロ...
 軍事ウェブサイトのグローバル・ファイアパワー(Global Firepower=GFP)が発表した2025年版の世界軍事...
 ファム・ミン・チン首相は20日、ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)のレ・マイン・フン会長を...
 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、同社が開発を進めている西北...
 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は15日、ベトナムの新たなドローン産業団体であるベトナム低...
 電子機器・電気機械器具の製造・販売を手掛けるコーセル株式会社(富山県富山市)は、海外子会社(非連結...
 ベトナムで初となる軽量軌道交通(LRT)路線が19日、南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック特区(島)...
 米国の調査機関World Population Review(WPR)が先般発表した
 ホーチミン市では現在、計1万8613台のタクシーが運行されており、このうち電気自動車(EV)が1万3124台で...
 レ・タイン・ロン副首相はこのほど、「2025~2035年の外国語教育強化計画および2045年までのビジョン」...
 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)の副学長を務めていたグエン・ティ・...
トップページに戻る