大阪市は2日にホームページで、マサングループ[MSN](Masan Group)のチリソース「チンスー(CHIN-SU)」に日本でチリソースへの使用が認められていない安息香酸が検出されたとして、食品衛生法第11条第2項違反で、同商品を日本へ輸入・販売しているジェイビス株式会社(大阪市西区)に対して既に販売済みの商品1万8168本の回収命令を発令したことを公表した。
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回収対象となっているのは2018年10月9日~同年12月7日に輸入された商品で、賞味期限と輸入量は、◇2019年6月10日:8カートン(1872本)、◇2019年6月17日:379カートン(9096本)、◇2019年7月6日:300カートン(7200本)。
大阪市の報道発表資料によれば、大阪市は3月8日に東京都福祉保健局から東京都新宿区保健所衛生課食品監視第一係が実施した同商品に対する検査で、日本でチリソースへの使用が認められていない安息香酸が検出されたとする報告を受けた。また、表示ラベルに商品から検出された安息香酸およびソルビン酸の記載がなかったことから、食品表示法違反(輸入者表示欠落等)にも該当するとしている。
健康への影響については、国連の食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)が設けている安全性評価で、安息香酸の許容一日摂取量は0.005g/kg体重/日とされている。当該商品から検出された安息香酸の量は1kgあたりそれぞれ0.41g、0.44g、0.45gで、体重50kgの人が毎日一生涯食べ続けても健康に悪影響を及ぼさない量は、当該商品を0.56kg(約2.2本)食べ続けることに相当する。
このことから、検出された安息香酸の量は健康被害が発生する量ではないとされている。なお、日本ではキャビアやマーガリン、清涼飲料水、醤油など一部の食品で使用基準が設定されたうえで使用が認められている。
一方でMSNは、今回の日本における商品回収命令について当該商品は自社の海外輸出向け製品ではないとする声明を出している。それによれば、同社では米国・カナダ・オーストラリア・ロシア・チェコ・中国・台湾へのみ当該商品を正規輸出しており、日本へは輸出していないという。このためMSNは、輸入業者が誤ってMSNがベトナム国内向けに製造販売した商品を日本へ輸入したか、当該商品は製造元不明の偽造商品の可能性があるとしている。