家事労働者の17%が新型コロナで失業、ILO調査

2021/06/18 15:00 JST配信

 家事労働者(家政婦)は他の労働者と比べて脆弱で、特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生により失業した人も多いという。国際労働機関(ILO)が先般発表した家事労働者に関する調査報告で明らかになった。

(C) thanhnien
(C) thanhnien

 ILOによると、ベトナムは家事労働者を労働法とそれを具体化する法的文書のもとで保護する数少ない国の1つとなっている。ベトナムの現行規定では、雇い主は家事労働者と労働契約を締結し、契約事項は労働時間や休憩時間などの基準を満たしていなければならない。

 東南アジア諸国の中で、家事労働者が他の業種の労働者と同等の最低賃金を受け取る権利を保護しているのはベトナムのみとなっている。

 ベトナムの家事労働者の19%は仲介業者を通じて就職しており、就業のために海外へ派遣される家事労働者の数は過去10年間にわたり増加を続けている。

 新型コロナウイルス感染症発生後の2020年4~6月における家事労働者の数は、2019年10~12月に比べて▲17%減少した。一方、同期の他業種の労働者の失業率は6.1%程度だった。

 家事労働者の労働時間も大きく短縮した。2020年4~6月におけるベトナムの家事労働者の労働時間は2019年10~12月と比べて▲24.7%減少した。失業と労働時間の短縮により、同期にベトナムの家事労働者が受け取った賃金も▲26.2%減少した。

 なお、ベトナムは2026年にILOの「2011年の家事労働者条約(第189号条約)」を批准する予定。

[Thanh Nien 11:55 16/06/2021, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
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