グエン・スアン・フック国家主席は6日、国家主席府で会合を開き、ロシアによる軍事侵攻を受けているウクライナからのベトナム人の国外退避について、外務省などの関連機関から報告を受け、ベトナム人らの国外退避の手配を促した。
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会議には、ファム・ビン・ミン第一副首相のほか、国家主席官房や政府官房、公安省、保健省などのトップらも出席した。これに関連し、ベトナム共産党書記局の指導のもと、政府はウクライナ情勢特別作業部会を発足した。部会長はミン第一副首相が務める。
会合にオンライン形式で出席したグエン・ホン・タック駐ウクライナ・ベトナム大使の報告によると、6日午後5時ごろまでに約2500人が駐ウクライナ・ベトナム大使館やベトナム人コミュニティ協会の支援を受けて戦地から周辺諸国に退避した。退避先は、◇ポーランド:1700人以上、◇ルーマニア:約600人、◇ハンガリー:290人、◇スロバキア:40人以上。
在ウクライナのベトナム人コミュニティは約7000人から成る。多くのベトナム人が居住するオデッサやハリコフなどでは、家財を守るために同国に居残る意思を示しているベトナム人もいる。また、農村部に避難する人もいれば、街に居残るという人もいる。
在ウクライナのベトナム人を対象とした帰国便について、ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)が運航する初便が283人を乗せて7日にルーマニアの首都ブカレストを出発し、翌8日正午にハノイ市ノイバイ国際空港に到着する予定。
また、バンブー航空(Bamboo Airways)が運航する帰国便は、270人を乗せて9日にポーランドの首都ワルシャワを出発し、翌10日午前にノイバイ国際空港に到着する。
なお、ウクライナは戦地となっており、同国への運航は不可能なため、各航空会社は、◇ワルシャワ(ポーランド)、◇ブカレスト(ルーマニア)、◇ブダペスト(ハンガリー)、◇ブラチスラバ(スロバキア)、◇モスクワ(ロシア)、◇ミンスク(ベラルーシ)などの近隣諸国からベトナム人らを乗せる。