新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、全国で少なくとも500か所の私立幼稚園が閉鎖を余儀なくされた。小規模な園も含めると、その数は数千にも達するという。
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これは、2月下旬に開かれた国会常務委員会の会合でゴ・ティ・ミン教育訓練次官が明らかにしたもの。
首都ハノイ市は、新型コロナ対策に伴う幼稚園の休園期間が最も長い省・市の1つで、閉鎖を余儀なくされた私立幼稚園の数も特に多い。
休園期間中は収入がないため、経営者の中にはスペースの一部を地主に返したり、人員を削減したりして事業規模を縮小する形で対応する人もいれば、幼稚園を売却せざるを得ない人もいる。
幼稚園「オンベト(Ong Viet)」を運営するN・T・Hさんは、やむを得ず2か所のうち1か所を閉鎖した。Hさんは「1か所の1か月の家賃は2200万VND(約11万4000円)。休園中は半額にしてもらっているが、とても乗り越えられない。教諭の多くも退職して他の職業に就いている」と嘆息した。
事実、経営者が窮地に追い込まれたことにより、ハノイ市では3月上旬から多くの幼稚園が売却にかけられている。
しかしながら、閉鎖や売却せざるを得なくなった幼稚園のほとんどは、保育料が安い低所得者層向けの施設だ。こうした施設の閉鎖が増えれば、新型コロナが収束した後、低所得の保護者は幼稚園を見つけるのが難しくなると懸念される。