ベトナム当局は8日午後1時50分ごろ、在ホーチミン・スリランカ名誉領事の立会いのもと、東南部地方バリア・ブンタウ省沖の海上で日本船籍の貨物船「ヘリオス・リーダー号(Helios Leader)」からスリランカ人の難民と見られる老若男女305人の身柄を引き取った。
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スリランカ人らはミャンマー船籍の漁船「レディR3311 LD号(Lady R3311 LD)」でカナダに向かう途中だったが、6日夜にバリア・ブンタウ省から東に258海里(約470km)離れたチュオンサ諸島(英名:スプラトリー諸島、中国名:南沙諸島)の海域で海水が船内に流れ込み、漂流していた。
漁船から救助の要請を受け、当局は同海域を航行する船に通報して救助の協力を求めた。日本を出港してシンガポールに向かう途中だったヘリオス・リーダー号が翌7日午後3時半ごろに漁船に接近し、無事に全員を救助した。
人数が多かったため、ベトナム側はベトナム海上捜索救難協力センター(Vietnam MRCC)の救助船のほか、海上警察と国境警備隊の巡視船も動員し、8日にスリランカ人らを保護した。
スリランカ人らはバリア・ブンタウ省の公舎でしばらく過ごし、所定の手続きを経て母国に送還される見通しだ。彼らは国の経済危機を背景に太平洋を横断してカナダに渡ろうとしていた。