ホーチミン市警察は20日に記者会見を開き、債務返済が遅れている顧客を違法な手段で脅迫したとして、韓国系ファイナンス会社の未来アセット金融ベトナム(Mirae Asset Finance Vietnam=MAFV)の従業員の男女13人を誹謗中傷容疑で逮捕したと発表した。
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MAFVは韓国人のL・J氏が法的代表者を務めており、ホーチミン市1区に本社を置いている。警察はこれに先立ち、同社の複数の事務所の立ち入り検査を実施した。
捜査結果によると、同社は月4.58%(年54.96%)の高金利で融資を行っていた。債務者は融資を受ける際に、個人情報だけでなく家族や身内の個人情報も提供しなければならない。
債権回収について、遅延が90日未満の場合はソフトウエア経由で債務者本人や家族に返済を促し、90日以上180日未満の場合はソフトウエア経由の頻繁な電話・テキストメッセージで返済を促すという。
遅延が180日以上になると、電話やテキストメッセージだけでなく、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使って本人や家族を繰り返し罵倒したり、脅迫したりすると同時に、本人や家族、同僚の写真を使ったわいせつ合成写真や葬儀案内状を作成したり、詐欺師だと言いふらしたりしていた。
容疑者らは刑事法第156条に抵触したとされ、誹謗中傷容疑で捜査を受けている。ホーチミン市刑事警察部(PC02)によると、MAFVの経営陣は従業員らの行為を認識していたが、見て見ぬふりをしていたという。なお、MAFVの政策として、債務回収担当者は返済額の30%を取り分として受け取ることになっている。
同事件をめぐり、MAFVはプレスリリースを発表し、「従業員13人はいずれも新入社員または見習い社員であり、違法な手段による債務回収は会社の経営方針ではない」と記し、債務者らに対する脅迫や誹謗中傷は従業員らの自己判断によるものだったと主張した。
なお、警察は他の省・市にあるMAFVの事務所の立ち入り検査を行うなどして捜査範囲を拡大している。