ベトナム戦争に従軍した米退役軍人ピーター・マシューズ(Peter Mathews)氏が5日、北中部地方ハティン省キーアイン郡キースアン村(xa Ky Xuan, huyen Ky Anh)を訪れ、戦死したベトナム人兵士カオ・スアン・トゥアット(本名:カオ・バン・トゥアット)氏の日記を遺族に返還した。
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マシューズ氏は仏壇に献花し、線香を手向けて「この日記が、遺族の痛みを和らげてくれることを願っている」と語った。
マシューズ氏は、1967年11月に起きた南中部高原地方コントゥム省ダックトーの戦いで戦場に残されていたベトナム人兵士のリュックの中からノートを見つけた。ノートには、内容は理解できないものの美しい手書きの詩らしき文章やイラストがたくさんあり、好感を抱いた同氏は「きっと誰かの日記だろう」と思い、上司には提出せず、自分で米国に持ち帰ってこれまで大事に保管してきた。
最近になって、この日記がキースアン村出身のトゥアット氏の物だったことが分かった。
トゥアット氏は4人兄弟で、一家の唯一の息子だった。未婚のまま1963年に従軍し、1972年になって家族に死亡告知書が届いたが、遺骨やお墓などはいまだに見つかっていない。
トゥアット氏の両親が死亡した後は、同氏の甥子にあたるハー・フイ・ミーさんが供養を続けている。ミーさんは「遺影も遺品もなかったので、家族は数十年間ずっと心を痛めてきた。日記が見つかり、まるで伯父と実際に触れ合えるかのようだ。お墓もいつか見つかることを信じている」と語った。