- 32歳ドナーが腎臓や心臓など提供
- ドナーを待つ5人の患者に移植
- 白バイ隊が心臓を載せた救急車先導
不慮の交通事故により脳死状態となったN・D・Tさん(男性・32歳)の臓器と組織が、ドナーを待つ複数の患者に移植された。Tさんは22日夜に交通事故に遭い、ハノイ市のセントポール総合病院に救急搬送されたが、23日早朝に医師が脳死を確認した。
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医師らはTさんの状態を遺族に説明。悲しみに暮れる遺族だったが、他の患者を助けるべく、臓器と組織の提供を決定した。提供されたのは、腎臓、心臓、肝臓、角膜。
セントポール総合病院の医師らは同日、ベトドク(越独)友好病院(同市)の医師らの協力を得て、移植する臓器と組織を摘出。医師と看護師らは臓器摘出に当たり、亡くなったTさんに哀悼と深い感謝の意を示して1分間の黙とうを捧げた。
摘出した腎臓は、同日夜にセントポール総合病院で治療中の患者2人に移植。肝臓はベトドク友好病院の患者に、角膜は第108中央軍隊病院(同市)の患者にそれぞれ移植されることになった。
なお、心臓は空路でホーチミン市医科薬科大学病院に搬送され、同日中に患者に移植された。これは同病院にとって初の心臓移植となった。同市警察は、交通警察官50人と複数の白バイを動員して交通整備を行い、心臓と医師らを載せた救急車の迅速な移動という重要任務を遂行した。