- 35人死亡・4人行方不明の転覆事故
- 同日夜に湾内でクルーズ船が花火
- 批判受けたクルーズ船運営会社が謝罪
東北部地方クアンニン省沖のハロン湾で19日午後、観光船「ビンサイン58号(Vinh Xanh 58)」が転覆して、35人が死亡し、4人が行方不明(20日時点)となる事故が発生した。湾内で懸命な捜索活動が続く中、同日夜にクルーズ船2隻が花火と娯楽イベントを実施したことで、世論から強い非難を浴びている。
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非難を浴びているのは、5つ星クルーズ船の「アンバサダー・クルーズ(Ambassador Cruise)」と「シー・オクトパス(Sea Octopus)」。同日に湾内で悲惨な事故が起き、大勢が犠牲になったにもかかわらず、通常通り花火と娯楽イベントを実施した。その様子がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で拡散され、「犠牲者や遺族への配慮がない」、「不謹慎」といった批判が殺到した。
クルーズ船の運営会社はその後、「配慮に欠け、遺族や世間に不快な思いをさせた」として謝罪し、「事前に契約した外国人観光客向けに計画された花火イベントだった」と説明した。しかし、世論の反発は続いており、地元住民らは「理由を説明すれば、客も納得したはずだ」とし、運営会社の対応を批判した。
クアンニン省文化スポーツ観光局によると、事故発生後に省内の娯楽活動を中止するよう通達を発出していた。今回の事案については、情報伝達が不十分だった可能性や、運営会社の認識が十分でなかった可能性があるとしている。