- 初代国家主席の専用機「VN-C482」
- 多くの市民が見守る中、深夜に輸送
- ベトナム展示センターで8月末展示
ベトナム航空局(CAAV)は14日夜、初代国家主席の故ホー・チ・ミン主席の専用機として使用されたIL-14型機「VN-C482」をハノイ市の航空博物館からベトナム展示センターへ移送した。
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VN-C482は、同センターで8月28日(木)~9月5日(金)に開催される国慶節80周年(1945年9月2日~2025年9月2日)記念展「80年の独立・自由・幸福の歩み」で展示される。
同機体は1957年に旧ソ連からホー・チ・ミン主席に贈呈され、1958年から運航を開始した。ベトナム戦争時代にはベトナム民主共和国(北ベトナム)の首脳陣の移動にも使用された。
同機体は旧ソ連製の軽輸送機で、全長22.3m、翼幅31.7m、最大36人搭乗可能。最高時速415km、最大高度6500m、航続距離1700km。機内にはベッド(幅1.2m)、執務机、座席、補助席、トイレ、洗面台が備えられ、床にはカーペットが敷かれるなど専用機仕様となっていた。ホー・チ・ミン主席のほか、故チュオン・チン書記長、故ボー・グエン・ザップ将軍らも同機体に搭乗した。
専用機としての任務終了後、同機体はザーラム軍用空港(ハノイ市)に保管されていたが劣化が進行していた。2010年に、30人以上の技術者らが復元を開始して、外板アルミや床、降着装置を交換したほか、客室や主席専用室を当時の状態に忠実に再現した。復元作業は技術資料や関係者証言を基に行われ、復元後は航空博物館で展示されていた。
同機体は14日夜に、航空博物館から約7km離れたベトナム展示センターに輸送され、多くの市民がその様子を見守り、この歴史的遺物に敬意を表した。日付が変わった15日午前1時、同機体はベトナム展示センターに到着し、過去と現在をつなぐ歴史の語り部として、記念展の来場者を待っている。