ハワード・バック、米バドミントン界の期待の星

2008/07/06 08:14 JST配信

 かつてサンフランシスコの不良少年だったベトナム系米国人ハワード・バックは、来る北京オリンピックのバドミントン競技で米国の期待の星になっている。

 彼は今年29歳、3歳のとき家族とともにサンフランシスコへ移住した。少年時代について彼はこう語る。「不良仲間たちとつるんで、捕まらない程度に悪さをしていた。今思えばばかなことをしていたよ。詳しくは話さないけど、違法なことをしていたのだから自慢できないな」。サンフランシスコではガリレオ中学校に通ったが、生きる目的が何もない少年だった。

 9歳の時バドミントンを始めた彼の人生は、その7年後にコロラドスプリングスにあるオリンピックトレーニングセンターに行って変わった。中学校を卒業して有能な運動選手と認められた彼は、オリンピック出場という生きる目的を見つけた。「それはぼくの人生を決定づけた瞬間だった」と彼は語る。彼の父親もかつてバドミントンをしていたことがあり、息子がアメリカ代表選手になることを応援した。

 2004年のアテネオリンピックではあと1勝で準々決勝というところで敗退した。翌2005年、ハワード・バックは相方のトニー・グナワンとともにバドミントン世界選手権の男子ダブルスで優勝し、米国バドミントン史上に名を残した。今年の北京オリンピックでは、男子ダブルスと混合ダブルスに出場する予定だ。「今度はメダルをねらいたい。前回のアテネでは、出場できるだけで満足していたから」

 ベイ・バドミントンクラブのオーナーでありかつてオリンピックにも出場したことがあるベン・リー氏は、「ハワードはすばらしい選手だ。これまでのどのアメリカ人選手よりも卓越している」と語る。また、男子ダブルスでペアを組むボブ・マレートンも彼を高く評価している。「ハワードには数々の勝歴がある。僕たちが組めばきっとうまくいくよ」

 ハワード・バックは今オリンピックに備えてカリフォルニア州のキャンプでトレーニングに励んでいる。今回はアテネのときに比べ、精神面でも入念に準備を整えている。4年前、彼の父親は低血糖で昏睡状態にあり助かる見込みが20%しかない状態にあった。医師の勧めで病床の父に話しかけたときのことを彼はこう語る。「僕が行くと父の手の指がかすかに動いて目を覚ましたんだ。父はお前のおかげで助かったと言ってくれた」。父親は今ではかなり回復し、北京に試合を見にいけるほどになったという。

 彼の夢はオリンピックでメダルを取ることだけではない。「アメリカのバドミントン大使になりたいんだ。この国のバドミントンをもっと強くするためにね」。

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