全米に37店舗を有する越僑のバインミー店の歴史

2011/01/31 08:41 JST配信

 ベトナム式ファストフードチェーン「Lee’s Sandwithes」の創始者バー・レー氏の訃報をマーキュリーニュースが報じた。享年79歳、癌による死亡だった。

(C) Dat Viet, Gastronomy
(C) Dat Viet, Gastronomy

 「Lee’s Sandwithes」はアメリカでよく知られたベトナムのバインミーのチェーン店。カリフォルニア、アリゾナ、テキサス、オクラホマなどの各州に37の店舗を有し、ベトナムのファストフードの代表格とされる。

 バー・レー氏は妻ハン・グエン、5人の息子、4人の娘とともに1980年にカリフォルニア州サンノゼに移住した。家族総動員でバインミー、チェー、ベトナム茶、菓子類、フランスの包装紙などあらゆる物を売った。同氏の長男チエウ・レーさんは英語の学校に行きつつ、都市部の工場を回る移動販売の店向けに食品を売り歩いた。

 1年後、チエウ・レーはやっと商売用の車を手に入れ、1982年には妹のヘンリー・レーさんと一緒に家族の名前を付けた「Lee Bros」という会社を興す。これを皮切りに、同社は500以上の移動販売車を持つサンノゼではかなり大きな食品会社に成長した。それぞれの販売者に店長を置き、その多くはベトナム人だった。

 1983年、バー・レー氏はサンホセのある通りに初めてのバインミーの屋台を出した。主にベトナム人を対象にしたものだった。その後、妻にベトナム料理の調理法を学んでもらい、1983年6月サンノゼのサンタクララ通りに「Lee’s Sandwithes」1号店を開店。これが大当たりし、他の通りにより大きな店舗をオープンした。

 サンノゼの7店舗から始まり、南カリフォルニア地区や西南方面へも拡大していき、彼らの店はベトナム人で初めての成功ビジネスと見なされ、アメリカの商業地区へと進出していった。

 バ・レー氏はさらに、2001年にベトナムとアメリカの料理を両方楽しめる新しいファストフード店の経営に乗り出した。看板メニューはすぐに飲めるアイスカフェオレで、商標は「Lee’s Coffee」とした。この店が大流行りし、「Lee’s Sandwithes」はアメリカ西部で最も売れているファーストフード店へとのし上がった。現在チェーン店は40店舗ほどあるがこれからもさらに増える見込みで、多くはフランチャイズで運営している。

 各店は非常に清潔感があり整頓されていて、2言語表記のメニューが用意されている。無料で試食できるメニューもあり、インターネット完備の店舗も多い。2010年10月10日、「Lee’s Sandwithes」はさらに新しい戦略を打ち出した。コーヒーを10杯注文した客は10杯10ドルで購入でき、バインミーを10個注文するとさらに10個がプレゼントされるというものだ。

 これらの成功を受けて、「Lee’s Sandwithes」は2003年にはアメリカの中小企業発展機関から優秀営業賞を授与された。またカリフォルニア地区における2003年の代表的なビジネスパーソンに、バー・レー氏と彼の長男チエウ・レーさんが選ばれた。2年後の2005年には、モダン・ベーキング紙が選ぶアメリカのパン職人の一人に選ばれた。

 サンノゼに古くから住むベトナム人フック・グエン氏はこう語る。「彼の起業はたくさんの困難を伴うものだったが、夫婦はそれに耐え、子供達の助けもあってこのように成功した。一家は地域社会にも非常に貢献し、よく知られてもいる。彼の店のバインミーはもちろん、コーヒーもとても美味しい。そのほかにも色々なメニューがあって、ここに行けばベトナムの物はなんでもあると言っていい。」

 経済的な功績に加え、一家は奉仕活動にも積極的に参加している。9.11やルイジアナ州の台風カトリーナ、ベトナムの洪水、メキシコ大地震など世界中の災害の折に触れて寄付活動を行ってきた。また彼らの成功はアメリカに店を出す多くのベトナム人経営者の励みにもなっている。

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