フエで小児がん患者を支援する「日本のお母さん」

2015/01/11 07:33 JST配信

 ベトナムでは以前、がんの診断=死の宣告と考える人が多く、治療をあきらめて患児を家に連れて帰るケースが多かった。また、治療を続けたくても遠方に住んでいる患者の場合は、交通費が負担となって長期間の治療は困難だった。

(C)Tuoi tre,N.Hien、小児がん患者と渡辺さん(右から2人目)
(C)Tuoi tre,N.Hien、小児がん患者と渡辺さん(右から2人目)

 渡辺さんはこうした事情を汲み取り、ACCLが患児と家族の交通費や入院中の食費を支援できるようにした。また患児らの沈みがちな気持ちを高めるために、キャンプや誕生会、中秋節などのイベントも病院内で開いている。小児がん家族の会の運営や、専門医の研修なども支援している。

 渡辺さんはいつもカメラを持ち歩いて患児らの写真を撮り、次回のフエ訪問の際にプリントした写真をプレゼントしている。ただ、何人かの子供達は自分の写真を見ることなく亡くなっていく。「短い人生しかなかった子供達の笑顔を見ると、胸が苦しくなります」

 渡辺さんは独身だが、友人達には「自分はフエの嫁でたくさんの子供がいる」と冗談を言う。フエに戻るたびにいつも家族のもとに帰る気がすると話す彼女は、既にフエの小児がん患者達の大家族の一員になっている。

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