メコンデルタ地方ドンタップ省タップムオイ郡フンタイン村在住のチャン・ティ・キム・ティアさん(女性・59歳)は、水難で子供を亡くした家族らの痛みを理解し、15年間にわたり子供たちに無料で水泳を教えている。これまでにティアさんが教えた子供たちの数は2000人余りに上る。
(C) dantri |
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ティアさんはメコンデルタ地方ティエンザン省ゴーコンドン郡の出身だ。9人きょうだいで家族の生活は苦しく、26歳のときに自立するためタップムオイ郡へ出てきて、雇われ人として様々な仕事に就いた。1992年には村落の女性幹部として月20万VND(約970円)の収入を得るようになったが、生活費が足りずに宝くじも売っていた。
貧しい雇われ人だったため、男性に注意を払ったこともなければ、現在に至るまで誰かと交際したこともないというティアさん。ティアさんは「14歳から自立して暮らしているので、私はお堅いですよ。19歳か20歳のころに男性から告白されたこともありますが、貧しかったので自信もなく、今までずっと独り身です。でもおかげで時間はあるので、子供に水泳を教えたり、地元の社会活動に参加することができるんです」と話す。
こうした中、ティアさんは2002年に村の子供向け水泳教室プロジェクトのコーチに選ばれた。「最初は何から始めればよいのか、どのように教えればよいのかも分からず、不安でした。でも、川に流されて亡くなった子供たちのことを考えると、かわいそうでたまりませんでした。子供も大好きでしたし、申し出を受けることにしました」とティアさん。