ホーチミンの「資源回収集落」に暮らす人々、集団感染で生き死にの境

2021/11/28 10:44 JST配信

 感染者となったトゥーさんが亡くなったとの知らせを受けた日、集落中がパニックになった。どの部屋にも感染者がいたからだ。感染者たちは皆、味覚を失い飲み込むことすらやっとだったが、とりあえず少しでもお粥やスープを口にしてお腹を温めた。

イメージ画像
イメージ画像

 グエン・ティ・フオンさん(女性・61歳)は、娘と2人の孫と一緒に暮らしている。上の孫は13歳で、家賃の足しにするため雑用の仕事をしている。下の孫はまだ生後1か月だ。娘が出産のために入院した日は、娘の陽性が判明した日でもある。今は家族全員で一緒に居られるが、下の孫のミルクやおむつを購入するため、フオンさんは午前・午後・夜の1日3回、資源回収の仕事に出ている。

 「資源回収での収入は孫のミルクやおむつと家賃の支払いに充てます。8月分と9月分は大家さんが家賃を免除してくれましたが、10月分は全額支払わなければいけません。何か月も家に居たので、どんなに疲れていようと、仕事に行って稼ぐしかありません」とフオンさん。

 ファン・ティ・ゴーさん(女性・69歳、南部メコンデルタ地方ドンタップ省出身)は、幸い感染者にはならなかったが、ホックモン郡の隔離施設で20日間を過ごした。夫も子供も亡くなっており、広さ10m2の部屋に2匹の猫と一緒に暮らしている。ゴーさんは毎日、自転車でバーチエウ(Ba Chieu)市場やタンディン(Tan Dinh)市場の近くの路地裏を回って資源を回収し、お金を稼いでいる。

 この集落がある地域の町内会長であるファム・ゴック・トゥイさんによると、集落の住民は主に他の地方の出身で、部屋を借りて資源回収や肉体労働の仕事をしている低所得者だという。

 集落でクラスターが発生してから、周囲の人々が差し入れをするなどして住民たちを支えているほか、街区の当局も、一時滞在登録をしていない一部の住民が新型コロナ支援の給付金を受け取ることができるよう、手続きの便宜を図っている。

 こうして、この「ベーチャイ集落」の生活も落ち着きを取り戻しつつある。

前へ   1   2   3   次へ
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

この記事の関連ニュース

 ベトナムでも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の打撃は大きく、特に今年のテト(旧正月)前に発生した...
 資源回収(ベーチャイ=ve chai)により資金を集め、3人の若者が資源回収で起業した。周りからは反対され...

新着ニュース一覧

 ホーチミン市烈士(戦死者)遺骨捜索・収集・身元確認指導委員会は21日午前、身元不明の烈士遺骨から採取...
 国防省傘下のベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)傘下で海外事業を展開する携帯通信事業者
 米国政府は、第三国を経由した原産地偽装などによる関税回避(迂回輸出)のリスクがある約40の国・地域を...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ハノイ市ゴックハー街区(旧バーディン区)ホアンホアタム(Hoang Hoa Tham)通り456番地の路地裏で、毎週...
 ホーチミン市人民委員会は、8月23日(日)に同市ヒエップビン街区(旧ホーチミン市直轄トゥードゥック市)...
 地場系コングロマリット(複合企業)のアマッカオグループ(AMACCAO Group)傘下のギャラックス(Galax)はこ...
 政府は、労働、社会保険、および契約に基づくベトナム人労働者の海外派遣分野における行政違反の処罰に...
 中国国家移民管理局は8月20日、ベトナムおよびキルギスの国民を対象として、240時間のトランジットビザ...
 化学品やセメント、電子材料・先端材料などの製造・販売を手掛ける株式会社トクヤマ(東京都千代田区)は...
 不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)は、202
 スウィンバーン・ベトナム(Swinburne Vietnam)と米クアルコム(Qualcomm)は、学術協力および人材育成に...
 地場大手コーヒーメーカーのチュングエングループ(Trung Nguyen Group)傘下のチュングエン・レジェンド...
 自動料金徴収(ETC)サービス「e-TAG」を展開する自動車・バイク小売大手タスコ
 政府は、南部メコンデルタ地方アンザン省にあるカインビン(Khánh Bình)国境検問所を国際国境...
 地場テクノロジースタートアップであるイーオンテック(EON Tech)は、米国の人工知能(AI)研究所であるオ...
トップページに戻る