フランス人が建設した築140年の給水塔とサイゴンの水道史

2026/05/03 10:04 JST配信

ホーチミン市最古の給水塔の誕生

イメージ写真
イメージ写真

 亀湖の場所には、かつて2つの給水塔が建っていた。1つは1878年に建設され、1921年に取り壊された。もう1つは1886年に建設され、現在はサワコの敷地内にあり、今日まで保存されている。現在、この給水塔はホーチミン市の建築遺跡として認定されている。

 1886年に建設されたこの給水塔は貯水塔で、20世紀初頭にフランス人によって建設された、サイゴン・ザーディン・チョロン地区の人々に生活用水を供給するシステムの一部だった。

 給水塔は楕円形にデザインされており、高さ約25m、直径約10mの3階建てだ。給水塔の外側は、厚さ1.6~2mの壁が2つの巨大な貯水槽の荷重を支えている。

 基礎部分は、耐久性のある花崗岩が何層にも重なって造られている。正面の扉は高さが2m以上あり、彫刻が施されている。さらに、一連の扉、窓、模様が彫られた約20の換気口がある。このうち5つの換気口にはファンが取り付けられている。

 2階の屋根の上には、容量1000~1500m3の大きな円形のステンレス製水槽がある。給水塔が稼働していた頃、雨季には各井戸から中央の井戸に水が流れ込んだが、乾季には機械を使ってポンプで汲み上げる必要があった。

 建設当初から、給水塔はサイゴンの人々へ水を供給し、水量を調整する上で大きな役割を果たしていた。この建築物は1930~1940年代に一度稼働を停止したが、その後、サイゴンが水不足に陥った際の予備の給水システムとして使用された。長期間にわたってその「使命」を果たした後、給水塔は1965年から現在に至るまで完全に稼働を停止している。

 これは、過去140年間にわたって存在している建築物であり、ホーチミン市に残るフランス人の古い建築遺跡の1つでもある。

 2014年3月28日、ホーチミン市人民委員会は、給水塔を市級の芸術建築歴史文化遺跡として認定する決定を下した。現在、給水塔の内部はサワコの伝統展示室として改装され、ホーチミン市の水道事業やサワコの歴史などに関する約250点の資料が展示されている。


前へ   1   2   3   次へ
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

この記事の関連ニュース

 サイゴン水道総公社(サワコ=SAWACO)はこのほど、ホーチミン市人民委員会の承認のもと、市内で約50年に...
 ホーチミン市人民委員会は、市内で約50年にわたり放置されたまま老朽化が進んでいる鉄筋コンクリート製...
 サイゴン水道総公社(サワコ=SAWACO)は、ホーチミン市内で45年以上放置されたままになっている鉄筋コン...
 サイゴン水道総公社(サワコ=SAWACO)はこのほど、ホーチミン市内で長年未使用のまま放置されている鉄筋...
 ホーチミン市交通運輸局給排水管理課は16日、同市内で長年未使用のまま放置されている鉄筋コンクリート...

新着ニュース一覧

 米グーグル(Google)が発表した最新データによると、動画共有プラットフォーム「ユーチューブ(YouTube)...
 科学技術省傘下の通信郵便技術学院(PTIT)とイタリアの航空宇宙企業であるテミックス(Temix)はハノイ市...
 地場系コングロマリット(複合企業)CTグループ(CT Group)傘下の無人航空機(UAV)開発・製造会社であるCT ...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 店主の一家が次々とこの世を去った後、フン・リンさん(女性)とゴック・リエンさん(女性)は、市場の路地...
 南中部地方ダナン市人民委員会はこのほど、市内でドローンなどの無人航空機(UAV)を所有・使用する組織...
 採用・人事アドバイザリー会社であるリーラコーエンベトナム(Reeracoen Vietnam)が、マーケティングリ...
 ベトナムを代表するロックバンド「ブックトゥオン(Bức Tường)」が、10月22日(木)に東...
 ハノイ市で10月8日(木)から11日(日)まで、「ハノイギフトショー2026(Hanoi Giftshow 2026)」が開催され...
 ベトナムの株式市場が21日付けで、インデックス開発大手の英FTSEラッセル(FTSE Russell)による市場分類...
 ベトナムで18日、米アップルの「iPhone 18」シリーズが発売され、全国の主要販売店で初日に数万台が事...
 インドの旅行雑誌「トラベル・アンド・ツアー・ワールド(Travel And Tour World=TTW)」が先般発表した...
 英国タイムアウト誌(Time Out)は16日、毎年恒例の「世界で最もクールな街トップ40(The 40 Coolest Neig...
 建設省は、外国の組織および個人の住宅所有権に関する規定の見直しを進めている。住宅法改正案で、外国...
 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、ベトナムの石炭火力発電所で...
 日本全国で「イオンシネマ」を運営するイオンエンターテイメント株式会社(東京都港区)などが出資するイ...
トップページに戻る