ベトナム農業に革命を起こした農学博士の軌跡、日本とのつながり

2026/05/31 10:13 JST配信

 稲にとどまらず、クア博士は種なしスイカ、サツマイモ、空芯菜、ハネデューメロン、パパイヤなど、多くの作物の品種を交配・改良し、困難な時期の人々の生活向上に貢献した。

(C) tieudung
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 多くの人がクア博士に敬服するのは、その知能だけでなく、農民と実際につながる精神にもあった。教授であり、研究所の所長であり、さらには国会議員でありながら、クア博士はしばしばズボンの裾を捲り上げて田んぼに入り、それぞれの実験用の稲の区画を自ら観察していた。

 クア博士はまた、ベトナムの農業生産に大きな変化をもたらした数々の先進的な農法を提唱した。これらの方法は、種子の節約、収量の増加、病害虫の減少に役立ち、すぐに全国で広く適用されるようになった。

 その親しみやすさから、農民たちはクア博士が研究した作物の品種を「クアさんの稲」、「クアさんのスイカ」、「クアさんのサツマイモ」などといった愛称で呼んだ。

 1975年12月28日、クア博士は多くの未完成の研究を残したまま、55歳の若さで突然この世を去った。クア博士の死は、ベトナムの農業科学界にとっても大きな損失だった。

 しかし、クア博士が残した遺産は今日に至るまでその価値を保ち続けている。クア博士が開発した作物の品種、農法、そして実践に結びついた科学的思考は、今もなおベトナムの農業発展の基盤となっている。

 その多大な貢献により、クア博士は党と国家から、労働英雄の称号、1等労働勲章、科学技術分野のホー・チ・ミン賞など、数多くの栄誉ある賞を授与された。

 2006年、ホーチミン共産青年同盟(青年団)中央執行委員会は、労働、生産、新しい農村の建設において優れた功績をあげた農村の青年を称えるため、「ルオン・ディン・クア賞」を創設した。

 また、クア博士の名前は、全国各地の多くの学校や道路にも付けられている。

 さらに2020年には、クア博士の故郷である旧ソクチャン省が、4月30日公園にクア博士の記念碑を建立した。

 クア博士の生涯と功績は、ベトナム農業の新たな姿の形成に貢献しただけでなく、今日、そして未来のベトナムの知識人たちのインスピレーションの源となっている。

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