ベトナムでは、旧暦7月は「孤魂」、すなわちベトナム語で「さまよう魂」を意味する「コーホン(cô hồn)」の月(中国でいう「鬼月」)にあたり、日々の生活の中でもさまざまなタブーが存在する。
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「孤魂月」には、多くの人が不運に見舞われることを恐れ、治療を延期したり、勤務時間を変更したり、家族に厳しい禁忌を課したりして、生活にまで支障をきたし、疲弊している。
旧暦7月の初め、北中部地方ゲアン省に住むニャット・レさん(女性・65歳)は、健康診断を受け、子宮内膜の損傷と膝関節水腫と診断された。医師から合併症を防ぐための手術を勧められたが、彼女はすぐに入院を拒否し、薬を処方してもらって帰宅した。
「『孤魂月』は悪いことが起きやすいので、手術は来月になってから考えます」とレさんは話す。
レさんは自身の治療計画を延期しただけでなく、家族に対しても、髪を切らないこと、18時以降は外出したり洗濯物を干したりしないこと、墓地のそばを通らないことなどを指示している。
また、夫や子どもが外出する際には、服のポケットにニンニクを入れておくよう言いつけている。大規模なビジネス取引もすべて翌月に延期した。不安を和らげるため、レさんは大がかりなお供え物を用意し、平穏を祈る。
こうしたレさんの忌避心理は、「忌み事を避ければ無病息災」という考えに基づく、家族の商売上の慣習に端を発している。さらに、インターネット上の自称「占い師」たちがでっち上げた「一家が破産した」という話の影響を受け、不安は過度に高まったのだ。
レさんが決めたルールのせいで、家庭内の雰囲気は息苦しいものになった。こうした状況を避けるため、長女はゲアン省から離れたハノイ市での夏期講習に申し込んだ。レさんの夫も、常に時間を管理され、妻からの根拠のない要求にことごとく従わされることに不満を募らせている。






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