【第71回】誰がハノイのメトロを利用しているのか

2023/12/11 16:00 JST配信

ハノイでは、初のメトロシステムが導入されて以来、新たな交通手段が出来、利用者も増え一部のベトナム人の生活習慣に変化を与えています。バイク移動に慣れ親しんできたベトナム人の中でどのような人がメトロを利用しているのでしょうか?ハノイの乗降客に対して調査を実施してみました。

利用者は通勤・通学などに日常的に利用

調査結果から、回答者の約50%が少なくとも一日に一度はメトロを利用している日常利用者であることがわかりました。主に、仕事や学校への通勤・通学の用途としての利用が一般的でその他友人・知人などとの待ち合わせなどにも利用されています。

利用の理由は便利さ・安心・渋滞回避

利用者の方々も、以前はメトロサービスが始まる前は同様の目的ではバイクを利用していた様です。それでは、なぜ彼らはバイクではなくメトロを選ぶようになったのでしょうか? メトロを他の手段よりも選ぶ際のトップ3の動機を尋ねたところは、交通渋滞の回避(90%)、便利さ(72%)、および安全への懸念(69%)が主な理由として挙がってきました。交通渋滞などを避ける安全な交通手段として、日常的に一部のユーザに利用されています。また、特に天候の悪い時や道路が混み合う時間帯などはメトロを利用する割合が多い様です。

ユーザーは手頃さ、清潔さ、交通渋滞からの解放感についてメトロを称賛しています。「メトロでの移動は安く、クールで、交通渋滞もなく清潔だ」といった声が聞かれました。

最寄駅からの移動は徒歩

一方で、彼らはどのようにして駅へ/目的地への交通手段を提供していますか。最も多いのは徒歩で移動するケースですが、一部は駅までバイクで移動し駐輪したり、Grabなどのバイクライドを含むバイクを利用しています。メトロ利用者の殆どは駅までの距離が数百メートル圏の場所から移動しており、また最寄駅から目的地までも同様に近隣の場合にメトロを資料しています。メトロの駅やルートが自身の交通プランにうまく合致している社会人や学生がメトロを頻繁に利用している様です。

快適さ、速さ、安全性に対する高い満足度

ユーザーは、手頃さ、快適さ、速さ、定時性、サービス、安全性など、メトロのさまざまな側面に対して高い満足度を表明しています。ただし、駐車施設については多少満足していないユーザもいるものの総じてサービスについては高い満足が得られている様です。

メトロは、特に最寄りのメトロ駅に住んでいる人々のライフスタイルに大きな変化を与えている様です。2024年にホーチミンでもメトロの運行が予定されていますが、同様に近隣在住者のライフスタイルに大きな影響を与えるのではないでしょうか?。

著者紹介
株式会社Asia Plus代表取締役社長 黒川賢吾

株式会社Asia Plus ( www.asia-plus.net )代表取締役社長。
NTT、ソニー、ユニクロにて海外マーケティングを担当。
2014年にAsia Plusを設立しベトナムマーケットリサーチサービス
「Q&Me( www.qandme.net )」を展開中


統計から見るベトナム
その他の記事はこちら>
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

新着ニュース一覧

 株式会社Cyberzeal(東京都新宿区)とmiracleave株式会社(東京都中央区)は、ベトナム軍隊工業通信グルー...
 ホーチミン市建設局はこのほど、各村・街区・特区の人民委員会と関連機関に対し、2025年10月30日までに...
 起訴・拘留中の人物を保釈させるため、権限を持つ者への働きかけを目的として賄賂を渡そうとした事件で...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 キム・ティエンさんの「黄金の声」は、ベトナム国営テレビ局(VTV)の19時のニュース番組と共に長年親し...
 ベトナム郵便通信グループ(Vietnam Posts and Telecommunications Group=VNPT)は、5Gネットワークの高...
 大手コーヒーチェーン「ハイランズ・コーヒー(Highlands Coffee)」を展開するベトタイ・インターナショ...
 行政手続き改革顧問評議会傘下の民間経済開発研究委員会(IV委員会)は11日、「ベトナム民間経済パノラマ...
 格安航空タイ・エアアジア(Thai AirAsia)は12月1日、ラオスのルアンパバーンとベトナムの首都ハノイを...
 在ホーチミン・フランス総領事館は、ホーチミン市サイゴン街区(旧1区)レズアン(Le Duan)通りにあるフラ...
 食品の企画・開発・輸出入・販売や日本国内外でのアグリビジネスを手掛ける株式会社HOLUS(東京都渋谷区...
 山口県は、深刻化する人手不足に対応するため、産官学金からなる「山口県外国人材確保定着強化協議会」...
 日本映画「8番出口」が、ベトナムで9月26日に公開される。ベトナム語タイトルは「Exit 8: Ga Tau Vo Ta...
 北部紅河デルタ地方ハイフォン市ハタイ村にある新居住区内を走る道路の半分を墓が塞いでいる画像がソー...
 デジタル旅行プラットフォーム「アゴダ(Agoda)」はこのほど、アジアの山間部と田舎町トップ8を発表した...
 ベトナムの商業銀行が、国際的な金融グリーン化の動きに本格参入している。ベトナムの商業銀行4行はこ...
トップページに戻る