ベトナム経済を振り返る:株式市場編 2025年版

2026/02/20 06:42 JST配信

金融市場:株式市場

イメージ画像
イメージ画像

 ベトナムの証券市場の大きな特徴として、国営企業や公社・公団系企業(およびその子会社・関連会社群)の民営化を進めるための「実験場」として機能してきた点が挙げられる。多くの場合、株式上場と同時に政府保有株が外部に売却され、その売却益が国家財政に充当される仕組みが定着している。

 一方で、規模は比較的小さいものの、成長資金の調達や知名度向上を目的に純民間企業が上場するケースも増えている。こうした動きにより、市場の性格は徐々に多様化しつつある。

 ベトナムの証券市場は、ホーチミン証券取引所(HSX、2000年設立)、ハノイ証券取引所(HNX、2005年設立)、未上場公開株取引市場(UPCoM、2009年設立)の3市場で構成される。いずれも政府管理下で運営されており、2026年1月時点で、HSXとHNXの上場企業数は合計約700社、UPCoMの登録企業数は約900社となっている。

■指数急伸・流動性拡大・格上げが重なる2025年、ベトナム株式市場は転換点に

 2025年の株式市場は、VNインデックスが大幅に上昇し、歴史的高値を相次いで更新した年となった。2024年は年間を通じ1300前後で推移し、方向感に乏しい展開が続いていたが、2025年に入ると状況は一変した。VNインデックスは1400、1500、1600、1700と主要な心理的節目を順次突破し、年間では前年比+41%上昇した。年末は1784.49で取引を終え、12月25日の取引中には一時1800を上回る場面もあった。

 指数上昇と並行し、2025年は市場流動性も大きく拡大した。同年末の国内個人投資家の証券口座数は人口の11%に相当する1180万口座を超え、投資家層の裾野が一段と広がった。市場規模も急拡大し、2025年末の株式市場(HSX、HNX、UPCoM合計)の時価総額は1京VND(約60兆円)に達し、GDPの約78%に相当する水準となった。

 制度面での整備も進んだ。5月には韓国取引所(KRX)が開発した新売買システムが正式稼働し、取引処理能力が大幅に向上した。これにより、将来的なT+0取引や空売り、新たなデリバティブ商品の導入に向けた制度基盤が整った。

 さらに10月には、英指数開発大手FTSEラッセル(FTSE Russell)がベトナム株式市場を「フロンティア市場」から「第二新興国市場」へ格上げすると発表した。7年以上に及ぶ監視期間を経た決定であり、中長期的な海外資金流入への期待が高まっている。

[2026年2月11日 ベトジョーニュース A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

金融市場:商業銀行セクター  1990年代までのベトナムでは、金庫・たんす預金や現金決済が主流で、金...
金融市場:外国為替レート ■2000年代前半~リーマン・ショック後:安定局面から構造的VND安へ
マクロ経済:物価上昇率(CPI)  ベトナムの消費者物価指数(CPI)の推移を見ると、2000年代から2010年代...
マクロ経済:対外収支  近年のベトナムの対外収支は、輸出の拡大、安定的な外資流入、在外ベトナム人...
ベトナムのマクロ経済と金融市場  ベトナム経済は近年、高い実質国内総生産(GDP)成長率を維持してい...

新着ニュース一覧

金融市場:株式市場  ベトナムの証券市場の大きな特徴として、国営企業や公社・公団系企業(およびそ...
 VIETJOベトナムニュースが2025年に配信した「法律」カテゴリの記事のアクセス数ランキングをご紹介しま...
 VIETJOベトナムニュースが2025年に配信した「統計」カテゴリの記事のアクセス数ランキングをご紹介しま...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ホーチミン市には今も、1日4万VND(約240円)で「寝床を買う」人々が暮らす集落が存在する。ここでは、旧...
金融市場:商業銀行セクター  1990年代までのベトナムでは、金庫・たんす預金や現金決済が主流で、金...
 VIETJOベトナムニュースが2025年に配信した「政治」カテゴリの記事のアクセス数ランキングをご紹介しま...
 VIETJOベトナムニュースが2025年に配信した「観光」カテゴリの記事のアクセス数ランキングをご紹介しま...
金融市場:外国為替レート ■2000年代前半~リーマン・ショック後:安定局面から構造的VND安へ
 VIETJOベトナムニュースが2025年に配信した「生活」カテゴリの記事のアクセス数ランキングをご紹介しま...
 VIETJOベトナムニュースが2025年に配信した「三面」カテゴリの記事のアクセス数ランキングをご紹介しま...
 VIETJOベトナムニュースが2025年に配信した「経済」カテゴリの記事のアクセス数ランキングをご紹介しま...
 2026年は新暦2月17日がテト(旧正月)の元旦です。テトに際して、VIETJOベトナムニュースから、テトに関...
 2026年は新暦2月17日がテト(旧正月)の元旦です。テトに際して、VIETJOライフから、テトに関する過去の...
マクロ経済:物価上昇率(CPI)  ベトナムの消費者物価指数(CPI)の推移を見ると、2000年代から2010年代...
 VIETJOベトナムニュースが2025年に配信した「日系」カテゴリの記事のアクセス数ランキングをご紹介しま...
トップページに戻る