ベトナム人学生は大学卒業後について聞かれると、「いま学んでいることで精一杯、就職先のことは卒業後に考える」と答える人が多い。そのため、卒業しても就職できない人や自分の専門分野ではない仕事に就く人も多いという結果となっている。進路の選択を家族に頼りきっている学生も多く、この受身な構えのせいで将来設計を描くことが困難となっている。ただ勉強すればよいと考え、卒業後の進路のことは眼中にない。
ハノイ医科大学の学生ティエンさんは、有名だからという理由だけでハノイ工科大学に入学したが、しばらく勉強した後で自分に合わないことに気付き、現在の大学に入り直した。また将来の仕事に関する準備がないため、卒業後も勉強を続ける学生もいる。ハノイ貿易大学のゴック・アンさんは卒業後、ハノイ国家大学に2つ目の学位取得のために入学。そこで勉強しながら海外留学という夢を追い続けている。
専門家らはこれらを、情報不足が問題と見ており、大学のカリキュラムに卒業後の就職支援につながるような内容が含まれていないことが問題だと指摘している。