ホーチミン:70種類のクラフトビールが楽しめるビアホールが人気

2017/07/13 17:01 JST配信

 ベトナムでビールと言えば、大衆飲み屋のビールメーカーの瓶や缶ビール、ハノイ市の旧市街地やホーチミン市1区ブイビエン通りなどのバックパッカーエリアで小さなプラスチック製のイスとテーブルで飲むアルコール度数3%程度のビアホイ(生ビール)が知られている。しかし、2年前からベトナムでもクラフトビールの製造が盛んになり、現在では各地でクラフトビール工場を併設したビアホールが国内外の客を誘致している。米国のニュース専門放送局CNNが報じた。

(C)CNN, VnExpress
(C)CNN, VnExpress

 商工省によると、ベトナムにおける2016年のビール消費量は38億Lでアジア第3位、製造元別シェアはタイガービールやサイゴンビール・アルコール飲料総公社[SAB](サベコ=SABECO)、生ビールが大半を占めるという。

 一方で、ホーチミン市ではプラチナム(Platinum)、パスツールストリートブリューイング・カンパニー(Pasteur Street Brewing Company)、ウィンキング・シール(Winking Seal)、ハート・オブ・ダークネス(Heart of Darkness)、ファジー・ロジック(Fuzzy Logic)などのクラフトビールがメジャーになってきている。

 パスツールストリートブリューイング・カンパニーは2015年に2人の米国人が創業した。同社ではホップを米国から、麦芽を欧州から仕入れているが、ダラットコーヒーやパッションフルーツ、ドリアンなどベトナムの原料を加えることで70種類のビールを取り揃えている。

 その創作力から、2016年にはアジア地域におけるビールコンテスト「アジアン・ビール・メダル」の3部門で金賞を受賞した。同社のビールは2017年末にマレーシア、オーストラリア、香港、米国、欧州、日本への輸出が開始される予定だ。

 クラフトビール界では、外国人オーナーだけでなくベトナム人も奮闘している。ベルギーに本社を置き、世界各国に製造拠点を持つ酒類メーカーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ (Anheuser-Busch InBev N.V.)で勤務経験のあるチュオン・ロックさんは、ホーチミン市1区にイースト・ウエスト・ブリューイング(East West Brewing)を立ち上げた。

 客に1杯のビールに10万VND(約505円)を払わせることは大きなチャレンジだったが、ビアホールに工場を併設し製造工程を見学してもらうことで客の支持を得ることに成功した。ロックさんは当初、顧客層には外国人観光客やホーチミン市在住の外国人を想定していた。ところが、2016年年初6か月における顧客の85%がベトナム人だったといい、経済発展に伴うベトナム人の中流層の増加に驚きを見せるほどだ。

[CNN,Anh Tu, VnExpress, 11/7/2017 05:29 GMT+7, T]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 酒類の製造・卸・小売・輸出入業、飲食店経営を手掛ける株式会社柴田屋ホールディングス(東京都中野区)...
 ホーチミン市2区タオディエン街区スアントゥイ通り(duong Xuan Thuy)では、2か月ほど前から登場したキ...
 このところ、テト(旧正月)の贈り物としてクラフトビールが人気を博している。  ハノイ市の旧市街で...
 アイスティー1杯の原価は250VND(約1円)、それを5000VND(約24円)で売れば、利益率は2000%にも上る。夏...
 ホーチミン市では、外国人オーナーが経営する飲食店で世界各国の味を楽しむことができる。以下は市内の...
 商工省によると、2016年におけるベトナムのビール生産量は前年比+40万L増の37億8800万Lに達し、アジア...
 キリン株式会社(東京都中野区)がインターネット上で運営している仮想大学「キリンビール大学」は21日、...
 ベトナム・ビール・アルコール・ソフトドリンク協会(VBA)の報告によると、2015年におけるベトナムのビ...

新着ニュース一覧

 南部メコンデルタ地方カマウ省にあるウーミン高校3年生のドー・グエン・ゴック・マイさん(女性)は、生...
 米国の組織・人事コンサルティング会社マーサー(Mercer)が発表した「2024年世界生活環境調査(Quality o...
 世界の航空関連情報を提供する英国のオフィシャル・エアライン・ガイド(Official Airline Guide=OAG)...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 世界最大級の宿泊予約サイト「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」はこのほど、2024~2025年の年末...
 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)管理委員会(MAUR)は、12月22日に商業運転を開始する同市都市鉄道(メトロ)...
 ベトナム郵便通信グループ(Vietnam Posts and Telecommunications Group=VNPT)傘下のビナフォン(Vinap...
 国際労働機関(ILO)の統計によると、世界の労働者の1週間当たりの平均労働時間は43.9時間となっているが...
 フランスの海運大手CMA CGMはこのほど、東南部地方ビンズオン省と同バリア・ブンタウ省のジェマリンク(...
 三菱マテリアルグループは、2025年3月末までに完了する予定としていた、タングステン事業を手掛けるド...
 公安省傘下の国民身分証明・人口データ研究応用センター(RAR)は、ベトナムのテクノロジーユニコーン企...
 ハノイ市ロンビエン区人民裁判所は17日、傷害罪に問われていたチュオン・バン・ミン被告(男・16歳)の一...
 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は、12月30
 ファン・バン・ザン国防相は18日、ベトナムを公式訪問中のラオスのカムリエン・ウタカイソーン国防相と...
 キリンホールディングス株式会社(東京都中野区)は、2023年における世界主要国のビール消費量に関するレ...
 日本とベトナムなどのアジアを接続する大容量光海底ケーブル「アジア・ダイレクト・ケーブル(Asia Dire...
トップページに戻る